やはり完全というものは存在しないのか
ちょっと内容的には短めというか、予想はできていたというか…‥
学園へと帰還し、リューたちは卒業試験のために得たドラゴンの鱗を提出し、鑑定がすぐに行われ、お墨付きとなって返却された後に、きちんと卒業が決定した。
その後すぐにヴィクトリアの下へ行き、彼女の方も卒業が決定となったことを聞いた後、この出来る限り互に卒業が決定したという気持ち的には明るいタイミングで、リューは辺境都市での一夜があったことと、ついでに魔王の衣も得てしまったことを一気に告白した。
…‥‥うん、本当に念には念を押して、出来る限り大丈夫かもしれないという状態でやったはずである。
だがしかし、それとこれとは別とにっこりした顔で言われ‥‥‥
『‥‥‥ご主人様方、生きていますカ?』
「‥‥‥」
【く、空中3桁コンボ‥‥‥とは】
【ピキッツ・・・・腕を上げたね‥‥‥】
【私の足は軟体‥‥‥でも、関節を折るような痛みを与えるとは驚きカナ‥‥‥】
【的確にかつ、それぞれの急所をきちんと‥‥‥捉えられていたのだよ】
ワゼが遠巻きに尋ねたが、リューたちは全身の痛みでやっとの思いでしか答えられないのであった。
「まったくもう‥‥‥リューにはわたくしからだと思っていましたのに、皆さまに先を越されたのは許せなかったのですわ。まぁ、これ以降はもう別にいいけれども、しっかりと反省してくださいまし!」
ぷんすかと、頬を膨らませて怒るヴィクトリア。
‥‥‥魔王の衣の防御が発動しなかったようだが、どうやら震えて縮こまっていたようである。
魔王の衣すらビビらせるとはいったいどういう事だ‥‥‥そしてワゼ、お前だけ速攻で惨劇前に逃げるなよ。
『自動防衛機構として実体を一時的にあやふやにするモードに自動的に切り替わってしまったので、スイマセン』
「いくら打撃を与えようとしても、つかみどころがないですわね‥‥」
【あ、うちもよく考えたら…‥‥似たような事が出来たんだった…‥‥】
ぶんぶんと拳を振るっても、身体を素通りさせるワゼを見て、回避方法があったことに今さらながら気が付くランであった。
彼女もまた、サキュバスの能力とかで人の中に潜り込めるのだから…‥‥
とにもかくにも、全員がなんとか回復したところで、ある重要な話題にリューたちは触れた。
「…‥そうなのね。リューのその衣が魔王の衣とかいうものならば、リューが魔王という事になるのよね」
「そういう事らしいけど‥‥‥これって秘密にしても、バレるものかな?」
『100%バレますネ。分かる人には分かりますし、遅かれ早かれ魔王と大衆に認知されるのは時間の問題でしょウ』
魔王の衣の話は記録にもあるそうだし、自然とそのうち魔王として認知されていくものらしい。
また、大抵の魔王は何かしらの目立つ特徴があるようで…‥‥
【リュー様の場合、私たちを従えているという事になりますよね?】
ハクロのその言葉はほぼ合っているだろう。
魔物使いの中でも、力の魔法という異質な魔法を扱い、その末ハクロたちのような美しいモンスターを従魔に多く従え、総合的な戦闘能力から言ってもすでに桁外れなところもあるのだ。
「‥‥‥まぁ、この件はまずは国王に報告しに行ったほうが良いか」
面倒事は、お偉いさんに丸投げしたほうが手っ取り早そうである。
ならば、この国で最も権力を持ち、ヴィクトリアの父親でもあるアレン国王に相談したほうが良いであろう。
いろいろと腹黒いところやつかみどころがなく、そばに使えさせている宰相たちの胃に多大な負担をかける人とはいえ、こういう事には相談に乗ってくれそうである。
とりあえず、卒業式を終えた後に、夢追い人登録をしに行くのよりも先に国王の下へ報告しに行こうと、その場で決定したのであった。
…‥さてと、閑話を挟んで新章に行くか、あと一話ほど追加すべきか。
とにもかくにも、次回へ続く!!
‥‥‥ノクターン行きR18バージョン計画、ただ今構想中。新作として完全不定期更新となりそうだけど、出せたらいいなぁ。内容的にはほとんどほのぼの、たまにシリアスにノクターンならではの過激な表現も。
でも、普通にR18タグをつけるだけで行けるっけ?ノクターンはやったことが無いからなぁ…‥
いや、内容的にムーンの方が向いているのかもしれない。




