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自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
卒業へ向けてで章
123/162

案内されて

少々短め

SIDEリュー


‥‥‥ワゼの後についていくと、城塞都市の路地裏に案内されたリュー。


 そこには、ボロボロの一軒家があった。


「なぁワゼ、本当にここにハクロたちがいるのか?」

『はい、そうデス。ちょっとあのボディソープで問題が起きたために、皆で一旦どうにかするため、この空き家を拝借させていただいたのデス』

「拝借って‥‥‥持ち主の許可は?」

『それはご丁寧にとりまして、今はちょっと外出してもらっているのデス。ああ、お金は使っていませんし、ランの幻術でコホン、催眠術、コホン、まぁ、どうにかして明日の夜まではさまようはずデス』



 何か明らかに犯罪行為をしでかしているような。


 むしろ、そこまでしでかすほど何かあるのだろうか?







 ワゼが懐から鍵を取り出し、扉の鍵を開ける。


 ワゼが先に入り、リューが続けて入ろうとした時であった。



ドクン!!

「っ!?」


 なにやら突如として、身体に熱いものが入ったような気がした。


 慌ててリューはすばやくバックする。



「なんだ今の感覚‥‥‥」


 あの黒い衣を出す感覚に似てはいたが、少々異なる。


 なんというか、本能的な危機感というか、命ではない何かの危機というべきか‥‥‥




 とはいえ、この中に入らないことには話が進みそうにない。


 恐る恐る警戒しつつ、リューは中に入って‥‥‥ワゼに案内された一室の前に立った。




「この中にハクロたちが?」

『ハイ』


 リューが尋ねると、ワゼはうなずいて肯定した。



 耳を澄ませてみると、なにやら物音がする。


 どうやら中にいるのは間違いないのだろうけど‥‥‥‥何をしているのだろうか。



「‥‥‥なんだろう、直感的に開けてはいけないと言う感じがひしひし伝わってくるような」

『その勘はおそらく正しいと思われマス』


 ドアノブに手をかけると、頭の中に警鐘が鳴り響く。


 しかし、開けなければハクロたちに会えないだろうし、なぜ勝手に姿を隠したのかというわけも聞くことができない。


 それゆえ、リューは覚悟を決め、思いっきりドアを開いた。



「ハクロ、ピポ、ファイ、ラン!!入るぞ!」


 バァン!!っと、思いっきり扉を開いて中に入ってみれば…‥‥‥





…‥‥湿度が高いのか全員汗びっしょりで、ほのかに肌に赤みを帯び下着姿でいて、リューが飛び込んできたことに驚いて目を見開きつつ、そのままぶっ倒れたのであった。



 なぜ倒れる。


 そして何だこの状況。



 その光景に、リューはしばし頭を混乱させるのであった。



なぜ皆がリューが入って来たと単に倒れたのか。

そして、なぜ皆まるで全身疲労しているかのように汗だくなのか。

なぜ、リューの下を離れてこの場所にいたのか。

その謎の答えは、次回に続く!!


…‥少なくとも、今できる最良の選択肢はこの場からの逃亡だったりする。

だがしかし、その選択をリューは考えておらず、時すでに遅し‥‥‥

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