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意外な事でしたよ

本日4つ目!!

設定集を考えると本編2つ目!!なんとなく調子が良かったのでつい書いてしまった。

SIDEリュー


「ふぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁ!!」


 勇ましい雄たけびと共に、目の前のドスパラは木刀を振り下ろしてくる。


 だけど、ハクロとの模擬戦でその動きの早さになれたリューの目には、物凄いゆっくりであった。



 軽く横に回避して、背後に回り込んで、足払いをついでにして倒れさせた。


 首筋に木刀を当てたところで‥‥‥


「そこまでだぁぁあっつ!」


 父であるディビットの声が響き渡り、模擬戦は終了となった。






「‥‥‥ふぅ、ハクロとの模擬戦で目が慣れてなければ叩き潰されていたかも」

「つぶすんじゃなくて寸止めはするつもりだったんだが!?」

「ふむ、我が子ながら成長はうれしいな」


 ツッコミを入るドスパラ兄上だったが、お父さんは完全にもう悟ったような目で、素直に喜んでいるようであった。


 悟ったような目ってことは、もうツッコミが追い付かないから考えるのを放棄したのだろうか?



 今日は昨日の雨に比べてきれいさっぱりと晴れたので、庭で模擬戦をしているのである。


 ドスパラ兄上は剣術の訓練だったので、一緒にやってもらったのである。


 他の兄二人は家の中で勉強中だけどね。数学と国語と歴史と言ったところだろうか。考案している母上が意外にもスパルタ‥‥‥いや、意外でもないか。


 ついでに、勉強嫌いな兄たちがあと1時間以内に逃亡するかしないか、実はハクロと賭けていたりする。


 勝ったら今日のおやつ半分譲渡してもらうのである。


 従魔だから命令すればいいじゃないかって?いやそれは面白くないし、そんな命令を出す意味もない。






 っと、模擬戦でかいた汗を拭こうとしたら、ハクロがタオルを持ってきた。


【お疲れ様ですリュー様、こちらのタオルをどうぞ】

「ありがとうハクロ」


 ハクロの手渡してきてくれたタオルは吸水性が良いようで、あっという間に‥‥‥って、これ彼女の糸製タオルか。


 なんか癒しの力でも混じっているのか、拭いたところから疲れが抜けるんですが。でもなかなか良い。




「いいなぁ、リューはまだ家にいることができて。弟たち全員に会えるこの日々が本当にどれだけ貴重な日々なのか今よーくわかって来たよ」

「来年には学校でしたっけ?」

「ああそうなんだよ!!来年には俺はこの家にはいない。夏休みには戻るだろうけど、それまでは離れ離れなのが辛いのだぁぁぁぁ!!」


 学校の話題を出すと、兄上は絶叫した。





‥‥‥この国では10歳ごろになると春から学校へ行くことが義務付けられているらしい。


 義務教育に近いもののようだけど、少し異なる点としては学校を選べることだろうか。


 この国にはどうやら考えられての4つほど学校が存在するのである。





 まず、王族や高位の貴族だけが通う『ロイヤルード学園』。


 貴族の位は王族を抜かして高い位から大雑把に分けると、公爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵とある。


 準とか仮など細かい部分もあるのだが、とりあえず高位なのは伯爵辺りまでと定められているようで、条件的には辺境伯であるオーラ家も通う事が可能である。



 


 次に、貴族や平民が混同しつつ平等に学べる『フラッター学園』。


 こうやって平等であると考えて、「貴族たるもの領民やその他人々を大事にせよ」の精神を学ぶためにあるのだろうけど‥‥‥ここで名物とされるのが「婚約破棄騒動」だというところで本当にその精神を学べているのだろうかと疑問に思ってしまう。


 なんでも、平民と恋に落ちて元から婚約していた相手と破棄して結び直すみたいなことがあるようで、周囲に文句がない人ならばいいのだが、それでもなにかしらの馬鹿をやる人が引き起こすようだ


 ついでに反撃で華麗に「ざまぁ」をする人もいるようで、能力の高さをアピールするチャンスでもあるようだ。将来的に害になる人物を排除出来て、なおかつ自身をアピールできる場として一石二鳥の事でもあるらしい。ちょっとその現場見てみたいなぁ。




 そして、平民だけの将来的な職業の安定のための『ゼウストリア学園』


 貴族の子息がこっそりと平民に混じって学ぶこともあるのだが、将来的にパン屋や商人になる人などが学ぶ場所であり、結構和気あいあいと楽しそうな学び場所である。


 でもそういうところに限ってガキ大将とかいそうな気がするんだよねぇ。力の強さで無理やり従わせているようなのと言うか、関係ないからどうでもいいけどね。




 最後が……『夢追い人(ドリーマー)』と呼ばれる職業に就く人用の『夢追い人(ドリーマー)育成学園』と呼ばれるところだ。そのまんまやんとツッコミを入れたくなったな。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――

夢追い人(ドリーマー)

一攫千金、自由な生活、小遣い稼ぎなどと言った様々な目的を持った人が就く職業。小遣い稼ぎのために副業として登録している人もいるが、本職の中には功績などによって国から領地を与えられて男爵みたいな扱いになる者たちがいる。

そう言った待遇を夢見ていたり、自由を夢見るなどという人が多くなったので、まとめて『夢追い人(ドリーマー)』と呼ばれるようになったのである。

ギルドと呼ばれる独立機関に属している。

――――――――――――――――――――――――――


 よく小説とかであるような、冒険者やハンターと呼ばれるものに似たような職業であり、その職業に就くための、野宿に備えたサバイバル訓練や、値引き交渉のための相手の接し方など学ぶのだとか。


 貴族の中で3男4男隠し子と言った、当主になれない人たちが将来的に稼げるチャンスと考えて通う事もあるようなので、テンプレのような馬鹿がいそうなものだが‥‥‥まぁ、その時はその時で個人の対処に任されるらしい。



 ドスパラ兄上と、エレクト兄上はフラッター学園へ通うらしい。


 ロイヤルード学園も通えることは通えるのだが、マナーや堅苦しい礼儀作法のやり方などがあって、性に合わないから行きたくないらしい。



 一方で、貴族当主になれない可能性のあるコングマン兄上や俺は『夢追い人(ドリーマー)育成学園』に通う予定である。


 ハクロがいるので魔物使いとして生計を立てるならおすすめの職業として『夢追い人(ドリーマー)』があるようだしね。悪くはない。



 コングマン兄上の場合は『夢追い人(ドリーマー)』になる目的と言うよりも、そこで経験を積んで諸国を巡る旅に出たいだけらしいけどね。


 それだったら『夢追い人(ドリーマー)』になってやればいいと思ったんだけど、無職の状況でやってこそ旅のし甲斐があると言っていたからなぁ‥‥‥まぁ、人それぞれだし別にいいけどな。

 




 で、学校へ行くのをこのドスパラ兄上は(いや)がっている。


 ブラコンなのもあるけど、勉強嫌いだから学校へは行きたくないのだとか。


 やれば結構頭はいいはずなのに、全く生かされていない。


‥‥‥うーむ、個人の能力と一致しないというのが皮肉なような気がするな。所詮この世に完璧な存在はないという事か。



 完全たる者が居ないと考えたところで、ふと思ったことを尋ねた。


「ドスパラ兄上は何で勉強が嫌いなんですか?」


 勉強嫌いの原因とかがちょっと気になった。やればできるのになぁ。



「ああ、そりゃもう一度読めば大体覚えるし、何度も繰り返させられるのも嫌だからさ!!体を動かしていたほうが圧倒的に楽なんだよ!!」

「へ?」


‥‥‥やればできる子、それ故にそれなりの悩みがあったようだ。


 贅沢なような、前世の受験時に欲しかったような賢さが、この兄にあったのか……!?



 あまりの意外さに、リューは驚くのであった。



 なお、賭け事の結果はリューの勝利で、兄たちはやっぱり逃亡したところで、待ち構えていたお父さんによって捕縛され、勉強追加されたそうな。


 哀れ兄たち‥‥‥まじめに勉強しないのが悪いから同情しないけどね。


【頭がいい人のようなのに、全くそう見えないのは面白いですね】


 くすくすとハクロが笑っているけど、お前も似たようなものだからな?


 見事なブーメランとは思わないのだろうか‥‥‥




――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDEディビット・フォン・オーラ辺境伯爵


「ふぅ、今日の模擬戦でも見たがリューの成長っぷりはすごいな‥‥‥」


 執務室に戻り、お茶を飲みながらディビットはぽつりとつぶやいた。


 昼間に息子たちの剣術での模擬戦をしたのだが、明らかにリューの強さが大幅に上がっている事を、元騎士であったディビットは見抜いていた。



 リューの使い魔になったハクロが、普段リューの相手をしているのは知っているのだが、それでもあの成長っぷりはすさまじい。


 そもそも今日やったドスパラとの模擬戦なのだが、年齢や体格差で考えるとドスパラの方が上である。


 けれども、経験の質が圧倒的にリューの方が高かったのだろう。そこか明確に出たのが、模擬戦のリューの勝利である。



 ドスパラの相手はディビットか、たまに雇う臨時講師。


 それに対してリューの相手はモンスターであり、一度はディビットをも一瞬で簀巻きに出来るほどの実力を持ったハクロである。


 戦闘面に関しても、ドスパラは剣術一筋のようだが、リューの場合はすでに使えるようになった未知の魔法を混ぜ込んでやっているようなのだ。



「‥‥‥これが下手にあの方の耳に入らなければいいのだが」


 己の仕えている相手でもあり、有能なのだが破天荒な人の事を思い出して、ディビットは溜息を吐いた。


 噂をすれば影が差す‥‥‥そのことわざをディビットが己の身をもって実感するのは、数刻後に雇っている執事が持ってきた手紙を読んだその時であった。

‥‥‥普段は一日1~2話の予定なのに、調子が良いとついつい書いてしまう。


さてと、次回はちょっと物語が動き出しますよ。

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