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自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
卒業へ向けてで章
118/162

追跡

たまにはシンプルなサブタイトル。

でも考えてみたら、リューたちの追跡から逃れられる様なやつっているのかな?

SIDEリュー


 ムーンナイトドラゴンの卵の奪還及び、出来れば魔力の供給で命を守るという目的の下、リューたちはワゼの得た情報によって、全速力でドラゴンの卵を輸送しているらしい一味の下へ向かっていた。


 なお、負傷して動けないムーンナイトドラゴンにはとりあえず魔法で体重を限りない0に近づけさせ、馬車に急きょ素早く適当だが荷馬車を連結して、その上に乗せたのである。


 軽くしたとはいえ、出来る限り早く移動するために、ミニワゼが入って動かす馬だけじゃ馬力が足りないので、ハクロとファイ、それにワゼ自身がけん引することになった。


 ハクロは元から素早くごけるし、力も強いので問題ない。


 ファイの方は足場を凍らせて、その上を滑る形だが、こちらは足の吸盤でブレーキも素早くかけられるので問題はない。


 そしてワゼだが、彼女の場合は何かごそごそしたあと、なにやらジェットエンジンのようア音が聞こえてきたが‥‥‥大丈夫かな?



 ついでに速度をより早く、そして邪魔者が出ないようにピポが後ろから炎を吹き出して推進力を高め、ランの幻術で馬車そのものが目立たないように風景に溶け込まさせた。



 そのおかげで、この馬車は現在、今までにないほど高速で走行中である。



『目的の一味まで残り5分以内に遭遇できるはずデス』


 馬車をけん引しながら、ワゼはそう告げた。


「その卵を盗んだ一味の情報はあるのか?」

『ハイ、どうやらこれは夢追い人(ドリーマー)資格を剥奪された問題児野郎デス』



‥‥‥夢追い人(ドリーマー)の資格剥奪。


 それは、何か素行不良が度を過ぎていたり、色々とやらかした者たちに下される処分。


 いかに功績が髙かろうともそれ以上の事をしでかしたものは全てそうなり、もう一度資格を取ることが難しくなってしまい、そのまま盗賊などに成り下がってしまうような者たちがいたりするのである。


 今回の卵を略奪した一味は、元夢追い人(ドリーマー)の『ディクロンダイク』というパーティのようで、数年前に資格を剥奪されたようだ。


 その剥奪理由が、依頼の連続失敗に若い女性夢追い人(ドリーマー)達へのセクハラや実力行使、その他もろもろやらかしまくったことのようである。


 極め付けが、盗賊がいるとささやかれていた村に勝手に入って、皆殺しにしてしまったことだそうだ。



「…‥明らかに犯罪者集団としか言いようがないのだが。というか、よく夢追い人(ドリーマー)になれたなそいつら」

『最初の頃はまともだったそうですが、どうやら酒や薬、色欲と言ったものに想像以上に深く溺れてしまったのが原因だそうデス』


 堕落の原因が単純すぎるが、情報によるとどうやらそれでもそこそこ彼らは腕が立つらしい。



 移動速度が妙に早いらしいが、そのメンバーの中に魔物使いがいるそうだ。


『どうやらけん引しているのは「シーホース」2頭デス』

「馬型のモンスターで、なおかつその速度がかなり早い奴か‥‥‥」


―――――

『シーホース』

通常の馬よりも一回りも二回りも大きな、全身が蒼黒い馬。元々は海上を駆け抜けるモンスターでもあるが、陸上でも普通に駆け抜け、その力強い走りは魅せるものがある。

その為、魔物使いが従魔にしようと考えるのだが、種族共通なというか‥‥‥


――――--


「確か、なぜか性癖がマニアックなものが多くて、誰もが仮契約の段階であきらめるんだっけか」

【となれば、それらを従えさせているという事は性癖があっていたとか…‥なんででしょうか、物凄く今から引き返したいような気がしてきました】

【まともならまだ良いのだけど‥‥‥大半が、何というか狂気の沙汰に近いというカナ】


 想像しただけで、リューたちの気は重くなった。


 というか、本当にモンスターなのかそれ。

 

 もしかして、異世界転生してモンスターになってしまったただのマニアックな人たちという可能性が出てきたのだが‥‥‥考え過ぎだろうか。



 とにもかくにも、今はドラゴンの卵の命がかかっているので、出来るだけ早く解決したい。


 もう間もなく、リューたちはその一味の馬車へ追いつくのであった‥‥‥




――――――――――

SIDEディクロンダイク


「いやっはぁぁぁあ!!もう間もなくこの卵を売り飛ばして大金を得られるぜベイベー!!」

「「「いえぇぇぇえい!!」」」


 高速で動く馬車に乗りながら、元夢追い人(ドリーマー)であったパーティー『ディクロンダイク』の一味たちは、全員世紀末レベルのハイテンションであった。


‥‥‥元々、彼らはまともな者たちであった。


 だがしかし、現実とは厳しい者であり、いくら依頼をやろうとも失敗続きになったり、娼館へ行ってはまってしまうなどしてしまった結果、彼らの精神は屑と化した。


 そのせいで、素行が非常に悪くなっていき、ついには夢追い人(ドリーマー)の資格を剥奪されて、今はただ、金目の物を手に入れるだけの強盗集団へと化してしまったのである。


 はたから見れば、ただの大馬鹿野郎集団。


 だがしかし、強盗好意や違法行為を繰り返すことで修羅場を多く体験したせいか、その腕は衰えておらず、むしろ手ごわい者たちと化していた。



「しっかしまぁ、よくあんなドラゴンの卵が都合よく手に入るとはなぁ!!」

「ああまったくだ!!あらかじめ場所は分かっていたとはいえ、見つけてすぐに隙が出来るとは普通思わねぇもんな!!」


‥‥‥彼らはほぼ運に恵まれたというか、偶然にもムーンナイトドラゴンを見つけ、そして卵だけのなる瞬間に出くわし、そのままノリと勢いだけで盗んだのである。


 一応、その場にそのまま入ればまずいのは分かっていたので、全速力で逃亡したのだが、このぐらいまでくれば大丈夫だろうと彼らは思っていた。


「ベンジャミン!!お前の従魔の馬どもをそろそろ減速させやがれ!」

「わかっているぜ!!ドブモン!!ゲストㇽ!!そろそろ減速しろ!!」


 彼らの中で、唯一の魔物使いであるベンジャミンと呼ばれたその男は、馬車をけん引していた従魔たちに減速の命令を出す。


 一気に速度が落ちて、普通の馬車よりも少し遅いぐらいの速度になった。


「よっしゃ!このままゆったりしつつ、この後どうやってこれらを売るか話そうぜぇぇい!!」

「いやっはぁぁぁぁ!!」

「うぃぃぃぃぃぃぃ!!」


 ハイテンションな状態で、彼らは馬車の中でドラゴンの卵をどのようにして、より多くの大金に変えるか話し合い始める。


 テンションを維持するために、薬を飲みつつ、完全に彼らは油断していた。


 その背後から、彼らの人生の終わりを告げる者たちが近づいてきていることを、まだ知らなかったのであった‥‥‥

…‥‥ぐいぐいっと迫っていくリューたち。

急がねば卵の命に関わり、子が親と対面できぬまま死んでしまう。

そうなることを避けるために、急いでいかねば!!

次回に続く!


‥‥‥ディクロンダイク一味たちの全体的なイメージとしては、よく言う世紀末のモヒカン軍団かな?ハイテンション、悪、どこか阿保っぽい、それでいて一応力はある、みたいなイメージを付けていたら、そうとしか思えなくなった。

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