表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
卒業へ向けてで章
115/162

対ドラゴン準備

とはいえ、戦うとは言っていない。

かもしれないというだけである。

SIDEリュー


…‥‥のこり期限が2ヶ月になったころ、ようやくドラゴンの居場所の情報がちらほらと入り始めた。


「とは言っても、1体だけか」

『確認されたドラゴンの情報によると、おそらく種類は「ムーンナイトドラゴン」…‥‥通称「月夜のカゲロウ」と呼ばれるもののようデス』


―――――

『ムーンナイトドラゴン』

通称「月夜のカゲロウ」というドラゴン。砂漠地帯、真夜中の月明りが綺麗な夜に出現すると言われている。その姿は通常のドラゴンの姿とは一部異なり、通常羽根が2枚のところ4枚になって、全体的に細長く、その飛行の軌跡にキラキラ輝く鱗粉をまき散らし、まるで星の川を創り出しているかのような光景を見せる。素材としては、武器等にならず、どちらかと言えば装飾品として利用されることが多い。

なお、その鱗粉は調合次第で「全身が光り輝く薬」という使用には微妙な効果をもたらす薬剤を精製できる。

また、このドラゴンは謎が多く、なぜか卵から生まれるものは全て親とは別の種類のドラゴンとなるため、密猟者によって狙われることもある。そもそもなぜ別の種が生まれるのかは解明されておらず、どうやって同種族の方を増やしているのかは謎に包まれている。



―――――


『目撃地域は「アールンデ砂漠」。例の移動用馬車も改良が進んでいますが、距離的に往復3週間ほど。そこそこ時間がかかりマス】』


―――――

「アールンデ砂漠」

ザウター王国からはるか西方にあるとされる砂漠地帯。

元々は緑が生い茂る豊かな土地だったそうだが、昔その地域にあった国が無茶苦茶な開発を行った結果、土地が耐え切れなくなり、自然と砂漠化したらしい。


―――――


 どこの世界でも、そういう人為的な砂漠化というのがあるのだろうか。


 魔法とかがこの世界にあるとはいえ、万能ではないという事を示す例として挙げられたり、無茶な開発をしないようにダメな例の見本として挙げられていることから役には立っているそうだけどね。


【砂漠地帯‥‥‥私の力が半減しそうカナ】


 ワゼの言葉を聞き、ファイが難しい顔になった。


「そういえばファイの苦手な場所でもあるんだよな」


 ウンディーネ・スキュラになって水の力が増しているファイだが、それでもどうやら砂漠のような極端な乾燥地域は苦手らしい。


 このメンバーの最高火力の魔法を出せる彼女だが、砂漠では実力が半減してしまうようである。



 もし、この砂漠地帯でそのムーンナイトドラゴンと戦闘にでもなってしまった場合、かなりの苦戦が予想された。


「魔力を分けてもダメか?」

【うーん、無理カナ。魔力云々以前に、元々本能的に感想は好ましくないからカナ】

【まぁ、気持ちは分かるのだよ。うちの方も耐性がある相手には効果が薄かったりするし、人それぞれ、いや、モンスターそれぞれに不得意な分野や苦手な場所があるのは分かるのだよ】


 ファイの言葉に、ランがうんうんと頷きながらそう言った。


 どうもこの二人仲がいいようで、こういった面でもわかり合えるようである。


【砂漠ですと木とかが余りありませんし、立体的に動くことも難しそうですよね】

【ピキッツ、でもピポは逆に得意かも!!】


 ハクロも糸がはれないような場所は苦手みたいだが、逆にピポにとってはやりやすい場所のようである。


 火を噴いて飛び回り、自身を燃やすピポにとっては砂漠地帯は戦いやすい場所なのであろう。


‥‥‥というか、スライムって水分がたっぷりで乾燥に弱そうなイメージがあるんだけど、ピポは思いっきりそのイメージを壊しているよね。


 いやまぁ、まず小さな妖精の姿のフェアリースライムって時点でいろいろとあるけどさ。



「とはいえ、戦闘になるとも限らないよな?」

『ドラゴンは知能が髙く、話せばわかるものもいるそうデス。ですが、中には好戦的なものもいるので、一応念を押して準備を整えておくに越したことはないかと思われマス』


 とにもかくにも、万が一の戦闘になった時のために、リューたちは準備をし始めた。


 砂漠では水がほとんどなく、ファイが水魔法を扱えるとはいえ、飲み水の確保をしっかりしておく。


 また、食料とかも保存ができるものをきちんと購入し、いつでも準備満タンで戦えるようにしておいたほうが良いだろう。



…‥‥ちなみに、費用は実は実質タダとなる。


 何しろもともとこの無茶苦茶な卒業試験を出してきたのはこの学園であり、そのことから必要経費を持ってもらうことが出来たのだ。


 まぁ、元から他の卒業試験を受ける者たちにも予算を割くことはできたらしいけど、ある程度の金額をワゼが交渉して増やしてもらったので、むしろ余るかもしれない。


「というか、よく交渉できたなワゼ」

『ええ、簡単に皆さま必要経費のための予算を割いてくれましたヨ。常日頃、情報収集はしておくものですネ』


 リューの言葉に、ニコリとワゼはそう微笑んで返答した。


 交渉の場に、なぜ情報収集をという疑問はあったが…‥‥まぁ深く聞かないでおこう。


 世の中には知らないほうが良いという事もあるし、今は準備が出来ればいい。


 

 砂漠へ、そしてその地にいるというムーンナイトドラゴンに向けて、リューたちは準備を整えていくのであった…‥‥



――――――――――――

SIDE???


…‥‥月夜の中、ある者は探してた。


 長年待ち望み、ついに叶えて大事にしていたモノを、先日誰かに奪われたのである。


 取り返すために飛翔し、必死になって探すその者は奪われたモノを思い、涙を流しながら叫んで探し続ける。


 その様子は悲しみにあふれ、その悲しい叫び声は砂漠にただ響くのみであった…‥‥

砂漠に響き渡る悲しみの声。

その声を聴くものたちは自然と涙する。

その悲しみがあるとは知らず、リューたちはその地へ向かうのであった‥‥‥‥

次回に続く!


‥‥‥モフモフ、入れたいのになかなかタイミングが得られない。主人公、早く遭遇しておくれ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ