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閑話 神聖国の教えの原因

本日2話目!!

ちょっと入れ忘れていた話です。

‥‥‥神聖国エルモディアに向けての、各国の一斉宣戦布告。


 今までいろいろとごまかしてきたり、嘘をついたり、条約を勝手に破棄したりなどを行ってきた神聖国は、各国が一斉に攻めてきたところで、最早なすすべがなかった。


 切り札も何処ぞやの大馬鹿野郎がやらかしたのでなくなってしまい、預言者の預言でなんとか民を振り絶たせようとしても、既に預言者が国外へ逃げ、そして扱われていた酷い現状をすべて暴露し、芯宣告中に知れ渡ったことで、政治を担っていた者たちへ民たちは、夢も希望もなかったところから一転し、政府を攻撃し始めた。


 内乱・戦争のダブル攻撃により、ズタボロにされていき、もはや国として成り立たなくなってしまったのである。



 そのさなかに、甘い汁を吸っていた者たちは何とか国外へ逃亡しようと試みたようだが、なんと、彼らが使っていたはずの神聖国での汚れ仕事を受け持っていた間者たちが全員裏切り、その逃走ルートをすべて潰してしまったのである。


 主であるはずの者たちを裏切ったのは、元から思うところがあったのか、それとももうこの国に見切りを付けていたからなのか、あるいは両方か。


 何にせよ、逃亡しようとした者たちはすべて捕えられていき、もはや抵抗しても意味が亡くなってしまったのであった。






…‥‥そして神殿内にも各国の兵士たちがはいり込んだ時に、ある本を彼らは発見した。


 それは、この神聖国で、なぜ魔王が絶対悪とされていたのか、その理由が書かれているという本であった。


 興味を持った国々は、その本を調べさせ、古い文字もあったので解読させた。


 すると、案外あっさりというか、情けない理由が出てきたのであった。





 それは遡る事200年以上前。


 当時、まだギリギリまともであった神聖国内に、とある魔王が誕生した。


 かの魔王の通称名は「ナルシスト魔王」。


 己こそが美しく、更に周囲をより美しくして、皆の美の基準を底上げし、芸術に力を注いだとされる善の方の魔王であった。


…‥‥そんなナルシストが善というのはどうかと皆は思ったが、そのナルシスト魔王の手によって一時期神聖国では文化が発展し、芸術がものすごく発展したのである。


 そしてそんなナルシスト魔王だが、それなりにイケメンだったそうで、なかなかモテていたそうだ。



 だがしかし、それがある悲劇を生んだ。


 当時の神聖国内の預言者であったとされる男性。


 彼は好きな人がいたのだが、その人がその魔王の方にうつつをぬかし、しかもその魔王の方でも彼女を気に入り、恋仲になってしまったのである。


 その預言者はまだ告白もしておらず、単なる片思いであったのだが‥‥‥‥逆恨みを彼はしてしまった。


 そのナルシスト魔王がいたからこそ、自分はフラれたのであり、魔王がいなければ彼女は自分のモノになっていはずだと主張し始めたのである。


 ただ、周囲から見ればその彼は単なる悪質なストーカーで、常に妄想癖が激しく、トップにい手も良いのかという疑問が多かったそうだ。


 なんでそんなのが預言者だったのだろうか、当時の神聖国よ。


 というか、人選をミスっていないだろうか神様とやら。




 とにもかくにも、恋の逆恨みで彼は動き始めた。


 そのナルシスト魔王のせいで彼女が出来なかった預言者は、密かに同じような境遇の、魔王のイケメン差で告白したかったあこがれの女性たちに見向きもされなかったという者たちを集めて、魔王を排除する方針を決定。


 徹底的に各所に働きかけ、預言だとも虚偽も申し立て、数年のうちに神聖国では魔王が絶対悪とされ、そのナルシスト魔王はその国を去った。


 その国にいた女性たちの大半が、そのナルシスト魔王が出ていくのについていき、その年で男女比が9:1となり、一時的に出生率が最悪にもなったそうである。


 そんな魔王が出ていくようにした状況にしたせいで、女性たちが大半いなくなったのは自業自得なような気もするが、彼らは更に怒りを燃やし、徹底的に魔王を絶対悪と定めさせ、それからずっと国がなくなるまで、その教えを厳守させてきたのであった。



…‥‥つまり、神聖国で魔王が絶対悪とされていたのは、単なる恋の争いに、当時の預言者が魔王に負けたからであろう。


 いや、土俵にすら上がらせてもらえない、完璧な逆恨みが原因だったのだ。


 悪い魔王もいたりはするが、全てが悪いわけでもないし、それに恋の逆恨みというのもわからないわけではない。


 けれども、そんな逆恨みが本当にバカバカ過ぎて、この際各国はその真相をすべての国にさらけ出し、笑う者や同情する者などが続出し、それを元にした小説が出たり、劇が公開されたりなどと、様々な反響を得たのであった。



「むしろ、200年以上前からの記録が残っていたというのがすごいのだが。あの国ってそれだけ昔からあったのかよ?」

『いえ、違うようデス。魔王が出た当時に「神聖国」と改名したそうですが、元々はその預言者を中心にした小さな国々の連合国だったようですね。その国々のトップ同士が力を合わせ、国同士を合併させて神聖国の基礎ができたようデス』

【なるほど、最初からあのような国じゃなかったのですか】

【にしても、恋の逆恨みとやらはすごいカナ。神の言った預言でもないのに虚偽でやるなんてすさまじいカナ】

『なお晩年、その預言者は身長3メートル、体重250キロの人と政略結婚し、初夜に潰されて生涯を終えたそうデス』

「うわぁ…‥‥酷い末路だったのか」


 そのあまりの末路に、全員ばかばかしいというか、哀れな気持ちになったのだった。


‥‥‥さてと、次回は新章!!

神聖国も崩壊し、成長したリューたち。

いよいよ、活動を始めるのだ!!

次回に続く!!


‥‥‥でもさ、よく考えたら男女比が9:1の状況で、政略結婚でもなんとか相手が出来たその人ってある意味すごいような気がする。

ただ、初夜で潰された裏には、魔王排除のために協力したやつらから、独身を抜け出させてたまるかという恨みがありそうだけどね。

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