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面倒ごとになりやがった

‥‥‥前回は12体登場させる予定と掲載しましたが、都合上6体になりました。

前話の修正もしましたが、お詫び申し上げておきます。

『あ‥‥‥ダメだったようデス』


 ミニワゼから送られてきたらしい報告をワゼがつぶやき、皆はその嫌な予感が的中したことを悟った。


「ワゼ…‥ダメってことは」

『愚者は愚者と言いますか、どうやら一気に全部6つとも割って解放したようデス。それも故意によるものではなく、日頃の不摂生な生活がたたってのもので自業自得ですネ』




‥‥‥どうやら、その魔封印石を盗んだ奴は、ついうっかりというか、ある事故で全部一気に解放してしまい、その末路はふっ飛ばされた挙句に着陸地点でパクりと喰われたらしい。


「出てきたものって、なんですの?」

『どれもこれも災害危険指定種クラスのモンスターなうえに、凶悪な奴らばかりデス』


 皆にもよくわかるように、何処からか取り出した黒板に、絵とその説明をワゼは素早く書き上げた。



――――――

『ケルベロス』

3つ首の狂犬。地獄の番人とも言われるが、どちらかと言えば地獄送りの案内人。3つの頭はそれぞれ協力し合い、何物をも鋭い牙で喰らいちぎり、大きな爪の生えた足で突き刺し、引き裂く。

また、最初から3つ首ではなく別の生物同士であったという説もある。


『キマイラ』

頭は獅子、胴体は山羊、尻尾は蛇。尻尾の蛇には猛毒の牙が、胴体のヤギの蹄は鉄よりも固く、頭の獅子の鬣はありとあらゆる剣でも切り裂けない。

力が非常に強く、その牙や爪以上に突進力が一番の脅威とされる。


『テュポーン』

大きな凶悪なお面に、大量の蛇の頭を付けた怪物。それぞれの蛇の口からは猛毒や石化、溶解などの効果がある凶悪なブレスを吐き、上空を飛び回ってあたりに散布しまくる。

ただし、自分にも効果があるため掛からないように回転しつつ計算した飛行をする。


『サイクロプス』

「ギガンテス」という単眼巨人のモンスターに類似しているが、全くの別物。より巨悪な面がまえと強靭な肉体を持ち、拳で戦わず、目からの怪光線で周囲を焼き払う。


『クラーケン』

本来は深海深くに潜む、巨大なイカのモンスター。その剛腕な触手には吸盤の代わりに鋭いとげが生えそろい、通りがかった船に突き刺して捕える。締め上げる力はものすごく、大型船ですら一撃で粉砕されてしまう。全身をヌルヌルした体液に覆われているが、こちらはあらゆる物理攻撃をぬるりと流すための防御用と考えられている。


『グラーキ』

巨大ナメクジに似ているが、それとはまた違う気持ち悪さを持つモンスター。乾燥に強く、むしろ干からびるほど体が硬質化し、剣も何もかも通さなくなるほどの防御力を誇る。

溶解液を吐き出す攻撃が主軸とするが、死人を操る力も持ち、墓場があればゾンビを召喚し攻撃させる。


――――――



…‥‥どれもこれも、本当にものすごく最悪なモンスターであった。


 というか、クラーケンは海のモンスターなのに陸上に出ていいのかよ?



「ど、どうするのじゃよ!?」

『少なくとも、全部の動きは把握できました』

「今はどうなっている?」

『互いに攻撃しあっていマス。毒を振りまき、辺りが溶解し、引きちぎられたりなどと、今まさに地獄絵図のような光景となっておりマス』




 どうも互いに縄張り意識とで言うべきか、荒らし始めたようである。


 人々を襲いかかるよりも早く、まずは目の前の脅威に対してというような感じなのだとか。


 そして、ちょっとどころか、かなり最悪な事態も発生したようである。


『毒攻撃が可能なモンスターもいますので、現場周辺が急速に猛毒で汚染されていマス。広がるスピードから計算すると、あと2時間ほどでここまで到達し、更に加速して5時間後には‥‥‥王国へ到達しますネ』

「物凄い面倒ごとになったなおい!?」


 どうやら現場では、溶解液やら毒のブレス、毒液の散布などがものすごい勢いでやられており、見る身内に周辺地域を汚染して言っているようである。


 しかも、その広がるスピードは加速するようで、下手したら一日もしないうちに周辺諸国にも広がる可能性があるそうだ。


‥‥‥その中心にいるモンスターたちはどうなっているのかが気になるが、どうも毒関係なく争っている状態だとか。毒に対して最強の耐性があるようだ。




「放っておくわけにもいかないし、かと言って毒でまみれたそんなところに行けるか?」

『流石に、ミニワゼ及び私もアウトデス。腐食性が高すぎて、侵入できまセン』

【解毒薬を作るという手はあるかもしれないが…‥‥そんな広範囲に効くようなものは無理カナ】

【いっそ眠らせれればいいんですけど…‥‥毒のブレスとかが飛び交っていますし、うちの催眠も無効化される可能性が高いのだよ】

【糸で拘束は‥‥‥無理ですね。いくら何でも、私の糸が毒でやられますよ】

【ピキッツ!無理!】


‥‥‥全員、毒に対しては少しは耐性があるようだが、そこまで強力過ぎると皆動けなくなるようである。


「いっその事ファイ、お前の魔法で氷結させてしまえないか?」

【無理カナ。広範囲を凍らせる魔法となると、魔力が明らかに不足するカナ】



 マンモスの冷凍保存とかいう古い話題があったように、その災害危険指定種クラスのモンスターたちを凍らせれば行けるかと思ったが…‥‥さすがに無理なようだ。


 って待てよ、その問題魔力不足って‥‥‥解決方法があったような。


『ん?魔力不足でしたら‥‥‥ご主人様の魔力を分け与えて、それでやればいいんじゃないですカ?』

「【…‥‥その手があったか!】」



 ワゼのその言葉で、リューたちはその方法を思いついた。


…‥‥『魔力譲渡マジックトランスファー』という、ランに魔力を分け与える魔法がある。


 この魔法は加減し損ねると対象者に魔力が一気に流れ込み、何らかの影響を与えてしまうようなのだが、この手段をとれば、ワゼが使おうとしている魔法に足りない魔力を、リューの馬鹿みたいに膨大な魔力で補う事が可能なはずであった。



【あ~‥‥‥でも主様、その魔力を譲渡するのは加減したほうが良いのだよ】


 と、ここでランがそう言った。


 以前、彼女に与えた際に加減しらずでぶち込んだ結果、気絶したことがあるのだ。


 魔法の発動の際に、気絶されてはたまらないし…‥‥善処するか。


【そんなに衝撃的なほど、主殿の魔力ってすごいのカナ?】

【いろいろな意味で衝撃的なのだよ…‥‥下手すれば昇天するのだよ】

【命がけという事になるのカナ?】

【ちょっと違うのだよ。でもまぁ、そう一気に流れ込むわけではないのなら気にすることもないのだよ】


 ワゼとランが何やら話し合いをしたが、問題はほぼないそうである。


とりあえず、一次的な応急処置として被害の拡大を防ぐために、リューたちはモンスターたちを凍結をさせる魔法を発動させるために、出来るだけ近くに寄れる様、急いで移動するのであった。

‥‥‥災害危険指定種クラスの、解き放たれたモンスター同士の戦闘は周囲に悪影響を及ぼしていく。

毒にまみれ、腐食し、ちぎり取られ、えぐりとられ・・・・・・

その状況を防ぐためにも、まずは全部の一気に冷凍保存へとリューたちは動き出すのであった。

次回に続く!


‥‥‥猛毒の沼というか、どれだけやばいものをまき散らしているんだろうか。

というか、冷凍保存出来た後の事後処理も大変そうである。そこは国王に丸投げか?

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