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あなたとタバコと私と

何気に寂しい夜には


あなたが恋しい


未練はたらたらだけど


私は一人だから


誰にも内緒であなたを思い出すんだ


あなたが吸っていたタバコ


夜一人でコンビニまで買いに行く


私は吸わないんだけど


寂しい私の為に


あなたが忘れていったジッポで


あなたが吸っていたタバコに火をつける


あなたの吸い方を真似して


最初の一吸いだけをして灰皿に優しく置く


ジッポで火を点けた甘いオイルの香り


タバコから静かに立ち上る煙を眺めるだけで


私はあなたを鮮明に思い出す


部屋はタバコ臭くなってしまうけど


これがあなたの香りだから


ただ自由に天井に立ち上っていく煙りを


瞬きもしないでジッと黙って見ているだけ


それだけで私はあなたにまた逢えるんだ


何気に寂しい夜には


あなたを思い出す


過去にすがってしまうと


前にはすすめないけど


私の傍には誰もいてくれないから


タバコの香りと煙は


いつの間にか無くなっていた


灰皿にはフィルターだけが残っている


タバコの葉はあなたで


思い出の香りを残し


煙のように消えたあなた


最後に残ってしまったのは


惨めなフィルター


それは私だね


今の私ならきっとあなたと上手くやっていけるのに


どうしてあの時気づけなかったのかな


今ならわかるのに


あなたの優しさにどれだけ包まれていたか


あなたがいなくなるなんて


考えもしなかった




                                      








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