再会
それから、ふたりはいつでも一緒でした。列車に乗ってどこへでも旅したのです。
ふたりは、列車に乗ってずっと旅をしています。どこまでも、どこまでも……。
そうしている内に、雪の降る寒い北国の誰もいない駅のホームで、レフは病気になってしまいました。
レフはどんどん元気がなくなってゆくのでした。
「レフ……、死なないでおくれよ」
「心配しないでくれよ。それよりもロマン、今まで僕の自分勝手な旅に付き合わせて悪かったね……」
「レフ……、何を馬鹿なことを……」
「だって、君は家で家族に愛されていたのに、一緒にこんな野良犬になっちまってさ……。僕なんかの為に……」
「そんなことはないよ……」
「人間は僕たちを裏切るよね……」
「そういうものなのさ……」
「でも、僕はこうして死んじまっても人間たちは何とも思わないんだね……」
「レフ……」
「なあ、僕たちって何なんだろうなぁ。こんなに愛されていないことが悲しいなんてね……」
レフはだんだん目が虚ろになってきました……。
「なぁ、レフ……」
「………」
「レフ……」
ロマンは何も語らなくなったレフにずっと寄り添っていました。ロマンは涙が込み上げてきて、どうしようもありませんでした。
「レフ……」
返事はありません。
「レフ……」
返事はありませんでした。
それでもロマンは、ずっとレフに寄り添っていました……。
いつまでもいつまでも寄り添っていました……。
そして、いつの間にか、雪は止んでいました……。
(レフ……)
ロマンは、ある日、目を疑いました。
死んでしまったと思っていたレフが、ロマンを見て微笑んでいるのです。
「やっぱり僕たちは一緒なんだね……」
ロマンはそう言いました……。
了