出撃!内閣府直轄対超常現象対策特別実働部隊第一班スイーツ隊 第一話 スイーツ隊出撃! Aパート②
「・・・くださいっ、起きてくださいっ!」
ゆさゆさと身体が揺さぶられる。ん、ムースが帰ってきたのか・・・?
横向きになっていることを把握しつつ、そう思って目を開けると、超至近距離にアズキの寝顔。って、びっくりした。また私のベッドに入り込んだな、こいつ・・・。少し驚きつつアズキの上のほうを見ると私を必死そうに揺さぶっているアイスが見えた。
「あー、アイス? もう起きたよ?」
「ようやく起きましたか。もうとっくにムースさん戻ってますよ」
おっと、そりゃいけねぇ。さっさと起きないと。
「もうリビングにみんな揃っているので来てくださいねっ」
そう言ってアイスは部屋を出る。さて、起きたいんだが・・・アズキのやつ、簡単には起きないんだよなぁ・・・。この前なんか、私のベッドに潜り込んで私に抱きついた挙句、私が起きようとしても離れず、殴り倒しても起きず、結局起きるまでアズキを引きずっていたなんてこともあったくらいだ。一応、起こす魔法の言葉はあるが、むやみに使うと手がつけられなくなる。まあ、それは置いておき。さすがに今の下着姿ではまずいのでアズキを蹴り飛ばして引き剝がし、ぱっぱと着る。そのあと、まだ寝ているアズキを肩に担ぎ、リビングへ。
「ムース、お疲れ」
「モナカこそお疲れだ。ほんと、お疲れ」
ムースが肩に担いでるものを見て言う。大丈夫だ。もう慣れた。
「さて、こいつは放っておき、どこかに食べに行くか?」
時間は2000。夕飯にはちょうどいいか遅いくらいの時間だ。
「それはいいですけど、ここら辺って変わったのないんですよねぇ」
「じゃあ、駅にくっついているデパートの上にあるレストランとかどうですー?」
あそこだと・・・結構いろいろとあった記憶。
「じゃあそこにしましょうかねぃ」
「よし、金は持った。あとはそれだけだな」
それ、つまりアズキのことだな。任せろ。この状態ならあれが使える。
「アズキー? 起きろー。飯食いにいくぞー」
耳元で囁けばその途端にアズキが目を覚ます。こいつ、食欲と睡眠欲には忠実なんだよなぁ・・・。
「行く」
ぴょんと私の方から飛び降りると、私の手を引いて出かけようとする。
それに苦笑いしつつ、残りの面々も付いてきた。
「ふにゃーぁ。食べた、食べた」
お腹をポンポンと叩きつつ歩くアズキ。というかさ、いくらメインのステーキ頼むとカレーがお代わり自由になるからって、カレーを何杯食べたよ。途中で係りの人の顔が軽く青くなってたぞ?
結局、ステーキのお店でメインを頼むとカレーがお代わり自由になるというサービスをやっているところにしたはいいものの、アズキが13杯、アイスが7杯、ムースが9杯、プリンが5杯というお店の人真っ青な量を食べた。え、私? 私は10杯。そこ! お前も結構食ってんじゃねぇかっ! っていうツッコミはなしね。
「さて、お腹いっぱいになったことですし、繰り出しませんかっ?」
繰り出すって、あれか?
「ゲーセン、だよな?」
「いいですねぇー」
「アズキはどうする?」
「もちろん、行く」
だいたいどっかに出かけた後、時間が余ればゲーセンに繰り出す。それが私たちの日常。結局、この日はゲーセンが閉まるまで遊び続けた。え、アイスの年齢? そんなん偽造した身分証明書があれば問題ないでしょ?




