第一話 スイーツ隊出撃 アバンタイトル
ティンときて書き始めました
「はあっ、はぁっ。ちくしょう、ついてねぇっ!」
俺は冴えないサラリーマンだった。それも先週までの話。会社の業績悪化を受けてリストラに遭い失職。もはや中年と呼んでもいいほどの俺を採用する会社はなく、フリーターとしての日々を送っていた。
だがそんな生活に変化が起きた。超能力。そう呼ぶにふさわしい力を俺は手に入れた!
電気を操れる力。これを使って俺は簡単に人を誘拐できるようになった。スタンガン代わりにすれば気絶させるのなんて容易いしな。誘拐できれば身代金を撮ったり、はたまた調教なんかもできるかもしれない。これからの人生が明るいものに変わっていく感じがした。
しかし、そんなことはなかった。最初の女を襲おうとした時のことだ。そいつは銀髪の髪の長い女で巨乳のとても美しい人だった。そんな女は世界中探しても二人といるかわからないくらい綺麗な人だった。もちろん俺は誘拐しようとした。ちょうど周りに人影もなく、ここから一本裏道に入ってしまえばそこにあるのは廃ビル街。チンピラどももいるだろうが、そんなのは俺の電撃でどうにでもなる。まさに襲うには絶好のポイントだ。
俺の手が女性の方に触れ即座に電撃を流し込む。それで気絶して崩れ落ちる女性を抱えようとするが、俺はその動作に移れなかった。
なぜなら、その女性は俺の電撃を受けてもなんともなかったからである。そんなはずはないと思いつつも、女性がこちらに手を伸ばすのを見て効いていないことがはっきりとわかり、捕まるとどうなるかわからないから走って逃げ出す。こんなまだ一回もやってないのに警察なんかにつかまってたまるか! しかもこんな能力があると知られたら人体実験に使われるかもしれない。そんなのはごめんだ。
廃ビル街は結構入り組んでいるし、枠だけになっているビルが多いから迷いやすい。そこに入って逃げ切れたかと思って後ろを振り返ると、先ほどの女性が追ってきている。そこから走り続けてもう数十分。途中で狙撃みたいなものに遭いつつも走り続ける。そうしたら、先に空き地が見えてきた。今の場所からそこまでは一本道。仕方ないがそこに出るしかない。
そして空き地に出た俺を待ち構えていたのは、先ほどの女性だった。他にも小さい小学生くらいの女の子もいる。もしかして、誘導されてたのか・・・? 後ろを振り向くと、丁度上から女の子が降りてきた。しかも銃を持っていやがる。その女の子が来た方を見れば、大きいヘリコプターが飛んでいてこちらを投光器で照らしてきた。眩しいなあ、くそっ。
「さて、逃げられない状況になった君だが、どうやら私を誘拐しようとしたみたいだね?」
俺が誘拐しようとした女性が言ってくる。なんで知ってやがるんだ? こいつ
「私がなんで知っているか? それは簡単だ。私も超能力が使えるんだ。そのうちの一つで君の思考を除いたというわけだ。さて、こちらにもそんなに時間はないのでね。誘拐未遂の現行犯で逮捕させてもらうよ」
逮捕だと? こいつら警察でもなさそうだが、逮捕できるってのか? そう考えると、また思考を読み取ったのか、その女性が答える。
「ああ、できるんだ。我々にはその権限が与えられているんでね。大人しく捕まってくれ」
女性が手錠を出しつつこちらに近づいてくる。ちっ、このまま終わってたまるか!
俺は女性に向かっても無理だろうと判断し、後ろにいる銃を持ったやつのほうを振り向く。そして電撃を飛ばし、そいつに当てて気絶させようとするが、なぜか俺の電撃は違う方向に向かっていく。そして唖然とする俺は気がついたときには地面に組み伏せられていた。関節が痛てぇっ・・・。
「大人しく捕まって欲しいんだがなぁ」
どうやら、俺は小学生みたいな子に組み伏せられているらしい。そして俺の手には手錠がかけられる。
「さて、では輸送隊に引き渡して帰るか」
そう言って後から来た機動隊っぽい格好の人に引き渡される。最後に俺は一つ聞いてみた。
「お前らはいったいなんなんだ!」
それにその女性は答えてくれた。
「内閣府直轄対超常現象対策特別実働部隊第一班スイーツ隊だ」
長い名前にちょっと唖然としている間に、俺は装甲車っぽいものに押し込められる。
本当にいったいなんだったんだ? あのスイーツ隊とかいうものは。
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それにしても、タグと内容があっているか心配な件