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ぼくとかぞく。

作者: あさたろ



ぼくは真っ暗な中でずっとひとりぼっちだった。


丸くなって上を向くことも

下を向くことも出来なかった。


でも不思議とおなかはすかない、よく見るとおなかになにかひものようなものがついていた。


そこから栄養がくるらしい、時々音や話し声も聞こえた。でもこっちから何か言うことは出来なかったからかわりに動かすことの出来る足でけった、すると楽しそうな声が聞こえた。



やがて周りが明るくなってきた、何も見えなかったけど。


ぼくは大きな声で泣き叫んだ、なんだかうれしくなった。


誰かに抱き抱えられた、大きな顔が見えた気がする、やっぱり見えないけど。


そのひとはぼくににこにこしながら嬉しそうに話しかけていた。


横にいるひとも嬉しそうだった、ぼくも笑い返した。



しばらくしておかあさんとおとうさんがぼくに出来たことがわかった。





おかあさんはぼくといつも一緒にいてくれる。


おとうさんは明るくなったらどこかに出かけて暗くなると帰ってきて遊んでくれた。


おかあさんとおとうさんとぼくでかぞくって言うんだって。


よくわかんないけどかぞくってあったかい。





大きくなっていろんなことがわかってきた。


他にもいろいろなかぞくがいてきょうだいがいたり、おとうさんがいないところやおかあさんがいないとこもあった。


中には両親がいない子もいる。


かぞくをころしたり関係のないひとをころしたりするひともいる。


そんな話を聞くとぼくはむねが痛くなってしまう。


どうしてそんなこと

するんだろう。



ぼくならぜったいそんなことしないのに。



かぞくってだいじ。


とってもとってもだいじ。




でも……


そんなだいすきなかぞくと別れなければならないときがきた。



おとうさんがいなくなる。


おかあさんがいなくなる。



だれにもどうしようもない


それは決められたこと。



ぼくはまたひとりぼっちに

なった。




かなしかった。


ぼくがここにいる理由がないと思った。


どうしてここにいなきゃいけないんだろう?


おとうさんとおかあさんのところに行きたい。




おとうさん・・・


おかあさん・・・





でもぼくはおとうさんとおかあさんのところに行けなかった。




好きな人ができた。


守るものができた。


愛する子ができた。




ぼくと好きな人。


愛する子。


3人でかぞく。






さみしかったぼくに


あたらしいかぞくができた。






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