表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/27

無言の鑑賞会


  ◇


 ……三十分後。



「……」

「……」

 二人は特に会話もなく、前田利家(幼少期)を眺めていた。

「……」

「……」

 何か喋って貰わないと、間が持たないのだが……。

「……」

「……」

 そこまで見入らんでも。



  ◇


 ……更に三十分後。



「……」

「……」

 更に会話もなく、賤ヶ岳の戦いの場面を眺めている。たった一時間で、どんだけ進むんだこのドラマ。



  ◇


 ……また更に三十分後。



「……」

「……」

 二人は、泣いていた。ただ静かに、泣いていた。前田利家が死去した場面で、それはもう泣いていた。

「……」

「……」

 いやいや、このドラマ一時間半で終わるのか。早過ぎるにも程があるだろ。しかも内容が薄すぎて、特筆するほど感動する要素なかったぞ。

「……利家」

「……あんた、最高だぜ」

 一体、どっからそんな感想が?



  ◇


 ……感動の余韻が消えた頃。



「ほら」

 戸棚からクッキー缶を取り出す魔緒。

「わーい」

「ア二×○トで見つけた特製クッキーだ。好きなだけ食え。ただし、晩飯食える程度にしろよ」

「はーい」

 まあ、缶に描かれている絵に関してはノーコメントで。

「紅茶はアッサムしかないが、それでいいか?」

「うん」

 紅茶とクッキーで優雅に談笑。

「これおいしー。ばくばく」

「そんなにがっつくな。それから、ばくばくとか実際に言わんでいい」

 とは、言えないようだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ