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ありふれた朝食
……そして朝食。
「「いただきます」」
「はい、どうぞ」
白米、味噌汁、焼き魚、漬物までついた和風朝食。最近では却って珍しい朝食だ。
「それで、今日はどうするの?」
「ん? そうだな」
魔緒は顎に手を当て考える。
「とりあえず、こいつの着替えと、宿題を取りに行かないとな」
その言葉に、仁奈は顔を顰めた。
「え~? 着替えだけでいいよ……」
「そういう訳にもいかんだろ」
夏休みの宿題は、鬱になりそうなくらいの量がある。早めに終わらせないと、なかなか終わらない。
「それにだ。転校、したくないんだろ?」
「……うん」
「あらあら、青春ね」
そんな二人の様子を、魔緒の母は微笑ましく眺めていた。




