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黄金のアルシュベルド 05 見習いハンター

 鳥の隊ハンターによる古龍クシャルダオラ撃退任務が再開する。黄金のアルシュベルドによって弱まった個体を退けるのに多大な苦労は消えたようだ。そうだとして歴戦のハンターに慢心などないが、しかし、クシャルダオラに掴まれてしまう。掴んで睨むクシャルダオラの口元が蒼く光り始めた。至近距離で例の蒼いブレスを吐き出すつもりらしい。


ハンター「くっ!!」


 絶体絶命の中、なんとか左腕を出してスリンガーを発射するも、故障により弾が出ない。これには流石のハンターも青ざめた。ナイフに切り替えて脱出を試みる。


パァンッ!!


 閃光玉が弾ける。ハンターの背中側からクシャルダオラの顔に向かって撃った主は、ナタだった。

 閃光玉を受けたクシャルダオラは暴れてハンターを投げ飛ばし、あらぬ方向へとブレスの先を変えた。砂地の頭をわすがにかすめ、向こうの岩壁に当たって弾けていた。


ガァゥグロロロ!!


 ハンターの復帰と同じくして、黄金のアルシュベルドも立ち上がる。警戒して鋭く睨むハンター。ただ、黄金のアルシュベルドの標的はクシャルダオラらしい。


ヂャラララララ コォァァ〜〜〜ン!


 黄金のアルシュベルドの鎖状の片腕が金属音と共に盾状に丸く配置された。


ヂャラララララ ギキィィィィン!!


 反対側の鎖状の腕も金属音を立てながら、一直線に並んで先を鋭くした。


ドスッドスッドスッドスッ!!


 いまだ目が見えず当てずっぽうに暴れる地上のクシャルダオラ目掛けて突進する。

 攻撃が接触する直前での大きな踏み込みと、全身を伸ばしきった突きが放たれた。その様は、まさにランサーの突進突き。この衝撃たるや、周りに居た鳥の隊を乗せているセクレトすらも大勢を大きく崩して転けた。

 そして、ハンターでは到底考えられない威力がクシャルダオラの顔半分と片翼の一部を消し飛ばしてしまっていた。

 そんな姿になってもまだ動けるクシャルダオラの生命力は特別な個体であることをうかがわせる。戦意は失っても、生への固執はなくなっていない。傷ついた箇所を庇うように早歩きで逃げ出し始め、すぐに羽を広げて向こうの空へと飛んで行った。


古龍撃退


ゴゥゥロロロロ…………


 肩で息をする黄金のアルシュベルド。古龍撃退はしたが、鳥の隊は彼の動向にいまだ臨戦態勢のままだ。

 しばらくするとナタに振り向き、目を閉じながら頭を垂れた。そのまま、数秒間動かずにじっとしていた。


ナタ「…………ッ!」


 この時の様子を、騎士が自分の主に跪いて忠誠を示している姿に見えたと、その後アルマは話している。

 ナタは、いつも胸に付けているペンダントに違和感を覚えて持ち上げる。


ナタ「これを、見てるの?」


 黄金のアルシュベルドは静かに顔を上げ、数瞬だけナタを見つめてから振り返り、どこかへと飛んで行ってしまった。彼の姿が見えなくなるまで、ナタはその影を追っていた。

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