黄金のアルシュベルド 03 クナファ村襲撃
ギャジャンギャジャン!!
風音の村クナファにある風音石が嵐のせいで暴れ、耳障りな酷い音を立てていた。
この音に反応したのか、鋼竜クシャルダオラが狩猟中にも関わらずクナファ村へと飛んでやってきた。気を立てているのが空気感からも伝わってくる。クナファ村の蒼い石目掛けて攻撃をし始め、村人たちの家屋が崩れ始めていった。
ザトー「やつは、風音石を狙っているのか?」
ガリッ
クシャルダオラが建物の上層部にある風音石を噛み砕いて食べ始めた。次第に腹回りが蒼く光りはじめ、パワーを抑え込み吸収しようともがき始める。それが収まると、クシャルダオラは口から蒼いブレスを吐き出した。
ブワオッ!!
クナファ村の岩が焼けただれて消し炭になる。ブレスの勢いが強すぎたせいで仰け反り、クシャルダオラの吐いたそれは上空に突き刺さる。その後、クシャルダオラは痛みに苦しむように悶えていた。
パンッ
嵐が止む。クシャルダオラの放った蒼いブレスで雲が掻き消え、豊穣期の空が現れた。空気は柔らかく、先程までの刺すような冷たさはなくなり、風で壁に押し付けられていた砂漠の砂は重力のほうへサラサラと流れていった。
ギギャオオオ!!
クシャルダオラの甲高い雄叫びがクナファ村を襲う。村の人々にとって死の音に感じたそれの元、遠くからもわかるほどの敵意を持ったクシャルダオラが空に浮かんでいた。
ザトー「好機! 皆を地下へ避難させる!」
と、動いたザトーに殺気の篭った視線が刺さった。クシャルダオラの口がまた蒼く光っていく。
ザトー「おれが狙いなら、こっちだ!!」
村人「ザトー隊長ッ!!」
村人たちの逃げる方向とは逆へ向けて走り始めた。その先に鳥の隊が映る。
パシュッ ぽんっ
ナタの放ったスリンガーこやし弾が、確かにクシャルダオラを捉えて弾けた。だが、一切意に介さずブレスを吐き出してザトー目掛けて発射した。
ハンター「くっ、間に合わないのかっ!?」