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四話 人里へ


フェンリルとの別れの後、隼人は広大な空を自由に飛び回っていた。古代竜の翼は力強く、どこまでも飛んでいけそうな気がした。

(そろそろ、人間の街にでも行ってみるか)

この世界に来てから、まだ人間に会ったことがない。どんな人々が暮らしているのか、どんな文化があるのか、興味が湧いてきた。

隼人は、高い場所から周囲を見渡し、最も大きな街を探した。やがて、遠くに城壁に囲まれた都市を見つけた。そこへ向かって、隼人は飛び立った。

都市に近づくと、その大きさに圧倒された。城壁は高く、いくつもの塔がそびえ立っている。街の中は活気に満ちており、多くの人々が行き交っていた。

(さて、どうしたものか……)

古代竜の姿で街に降り立てば、騒ぎになるのは必至だ。しかし、人間の姿に変身する魔法はまだ習得していない。

悩んだ末、隼人は街の外れの森に降り立ち、そこでしばらく待機することにした。日が暮れ、街の明かりが灯り始めた頃、隼人は再び飛び立ち、街の様子を観察した。

街の中央には、大きな広場があり、そこでは夜市が開かれていた。多くの人々が屋台を覗き込み、楽しそうに談笑している。

(あの中に入れば、情報が得られるかもしれない)

隼人は、人気のない場所に降り立ち、変身魔法の練習を始めた。前世の知識と、この世界で得た魔力の知識を組み合わせ、試行錯誤を繰り返す。

そして、ついに、人間の姿に変身することに成功した。薄い黄土色の髪と、エメラルドの瞳を持つ、背の高い青年の姿だ。

「よし、これなら大丈夫だろう」

隼人は、夜市へと向かった。屋台を覗き込みながら、人々の会話に耳を傾ける。すると、いくつかの興味深い情報を得ることができた。

この街は「エメラルドシティ」と呼ばれ、豊かな鉱山資源と、強力な魔法使いギルドで知られていること。そして、最近、街の周辺で魔物の活動が活発化しており、人々を悩ませていること。

(魔物の活動……フェンリルの言っていたことと関係があるかもしれない)

隼人は、さらに情報を集めるため、酒場へと向かった。酒場は多くの冒険者や傭兵で賑わっており、様々な情報が飛び交っていた。

その中で、隼人は、ある冒険者パーティーの話に興味を持った。彼らは、街の北にある古代遺跡の調査を依頼され、そこへ向かう途中だという。

(古代遺跡……何か面白いものがあるかもしれない)

隼人は、彼らに同行させてもらうことにした。冒険者パーティーのリーダーは、隼人の力を認め、快く受け入れてくれた。

こうして、隼人は、エメラルドシティを拠点に、新たな冒険を始めることになった。


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