BLT
僕はふとしだ、親友と心霊スポットを訪れて、散々な目にあった。だが、僕の命は助かった。僕は恥を捨てて失禁しても、友達の手にしがみついて離さなかったのであるが、離さなくて本当に良かった。たけしには感謝してもしきれないなと思い、今度あったらお礼をしなければなならないと思った。
僕は、とりあえず熱めのシャワーを浴びることにした。脱衣場で汚れた服を脱いで、衣類をたっぷりの洗剤と共に洗濯機に放り込む。洗濯機のスイッチパネルを操作していると、もうあの悪夢は終わったのだという実感が湧いてきた。浴室で丁寧に髪を洗い、身体についた傷を確認したが、かすり傷程度だった。
髪をドライヤーで乾かすと、だんだんに腹が減ってきたので、僕は自分で朝食をつくることにした。
キッチンでトースターで食パンを焼いて、レタスの葉をちぎり、トマトを薄くスライスした後、フライパンでベーコンを炒めた。
ジュージューというベーコンが焼ける音と香りが僕の食欲を刺激する。熱々のベーコンと黄金色に焼けた食パン、新鮮な生野菜をトッピングした。美味しそうサンドイッチが完成したので、コーヒーも一緒に飲みたくなった。
よく晴れた土曜日の早朝、これからだんだんといい日にしていくのだ。
僕はインスタントコーヒーの粉末とマグカップにザラザラと落とし熱めのお湯をマグカップに注いだ。
雑に作っても美味しい料理や飲物はこの世にたくさんある。サンドイッチはとても美味しくかったので、僕は貪るよう食べ、コーヒーを一息に飲み干した。それからしばらくすると、眠くなったので頬杖をついていると、僕の右肩に優しく手が置かれた。
「母さん?今起きたの?」と後ろを見ると、どす黒い皮膚をした老婆が立っていた。
「あぁああああッコォォォォーッ」
僕は声にならない声を上げてから気を失った。




