表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Just a small room  作者: rui-can
7/7

命の大切さとは。

 皆さんは子供の頃、もしくは大きくなってからでも、「虫取り」をどのくらいして遊んだだろうか。

 私はさんざんした。すごくした。アホかというくらいした。

 親の影響もある。子供の頃、休日になると、親は自然の中に連れて行ってくれた。

 キノコをとって、栗を拾って、サンショウウオにびっくりし、ハマナスの実を採取してお酒を漬け、またたびの実と間違えて家族でごっそり桐の実をとってきたこともある。結局何にもならなかったな、桐の実は。

 そんなふうに山で遊んでいたから虫ともよく触れ合った。気をつけて歩かないと踏んでしまうくらいの殿様バッタの群れに出会ったり、巨大な女郎蜘蛛に息を呑んだり、巨大な水槽の底に3段くらい敷き詰められるほどにコオロギをとってきたり、黒と水色のアゲハ蝶をとってもらって興奮したり。

 トンボなんかは、糸トンボ、ギンヤンマ、オニヤンマ、しおからとんぼ、そうそうたるメンバーだが、いずれも触ったことがある。

 私の住む地方では、寒すぎてカブトムシはいないとされているが、カブトムシもとってもらった。クワガタムシはたくさんとってもらった。夜に、スイカの皮をしかけておいたところに懐中電灯をもって見に行くと、わらわらとクワガタムシが群れているのである。

 もうそうなるとメスはとらない。角がないからつまんなーい、というわけである。オスばかり採取しては喜んでいた。

 さて、そうして採取した虫だが、その場で放してやらないと、必ず死んでしまう。大丈夫なのは案外カブトやクワガタの類で、きれいだと、珍しいと思って大事にしていた虫が、あっさりコロンと死んでしまうのである。

 これは悲しい。色々あがく。口のところに水をやって水を飲ませて生き返らせようとしたり、蜜の代わりに砂糖を与えようとしてみたり、温めたり、色々するが、虫は決して生き返らない。絶対に絶対に、生き返らない。

 この瞬間、人は命のはかなさ、ひいては大切さを知る。これを人間に置き換えた時にも、命は大事だということが理解できる人になれる。

 先般の、秋葉原連続殺傷事件、またはその模倣犯の犯人などは、こういう経験が足りなかったのではないだろうか。この事件の犯人は、被害者への謝罪の手紙の中で、「私には、あたたかい家族や友人などがいないので、それを奪われたあなたの気持ちはわからないが」というようなこと(相当まとめてあります)を書いていたそうである。

 でも、それでは家族がいない人や、友人がいない人全員が犯罪者になるのか。それは違う。結局、命の大切さを分れなかった、それが犯行原因ではないだろうか。

 この犯人が、家族とうまくいかなくても、虫取りをして大事な虫が死んだときに、悲しい、と感じる気持ちを知っていたら。少なくとも、誰でもいいから殺してやる、なんて思わなかっただろう。

 みなさんも、何でもいい、花が枯れてしまうことからでも、命の大切さを分れる人間になってください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ