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9話 東の山

 俺と清音は村長と囲炉裏(いろり)を囲んで座る。

 村長が話し始める

 「この村には、数日おきに一つ目が10匹位襲ってきて、家畜をさらっていきます。」

 「村人は大丈夫ですか。」

 「はい、今のところは、しかし家畜がいなくなれば人が襲われます。」

 「分かりました。」

清音が発言する

 「一つ目はどこの山から来ますか。」

 「忌み人が話すんじゃねー」

男が怒る、俺は

 「清音は、一つ目に詳しい、意見を聞いた方がいい。」

と言う。

 男は面倒くさそうに

 「東の山から来る。」

さらに清音は

 「ほかの山に一つ目はいますか。」

 「東の山だけだ。」

男は答える。

 清音は俺の方を見て

 「今から東の山に行きます。」

 「今日はゆっくりされた方がいいのでは。」

村長が言う

 「俺も今から行きます。」

俺は清音と共に立ち上がり、村長の家を出る。

 東の山に携帯食を食べながら向かう。

 まだ正午頃なので夕方までには時間がある。

 清音は俺に言う

 「どうしてあんなことしたの。」

 「あんなことって。」

 「私が村長の家に入ることができるようにしたことよ。」

 「俺がそうしたいから。」

 「私は納屋でよかったのよ。」

 「なら、俺も納屋に行く。」

 「分かったわ。」

清音は忌み人として扱われることに慣れてしまっているのだ。

 東の山に着くと()()()()をたどって山の中に入る。

 しばらくして、木のまたに寄りかかって寝ている一つ目を見つける。

 俺は丹田に力を籠め柏手を打つ。

 一つ目は血を吐いて木から落ちる。

 俺は(なた)で角を切る。

 さらに木のうろの中に3匹の一つ目が寝ている。

 俺は再び丹田に力を籠め柏手を打つ。

 3匹の一つ目は血を吐く。

 清音が俺に言う

 「あなたの魔法はいいわね、一つ目に気づかれずに倒せるわ。」

 「一つ目が寝ていればね。」

俺は答える。

 俺たちは一つ目が歩いているのに出くわす。

 俺は丹田に力を込めて柏手を打つが、一つ目は死ぬ前に

 「ぐげげげ」

と鳴く。

 仲間を呼んだのだ。

 前方から一つ目が4匹走ってくる。

 俺は丹田に力を込めて柏手を打ち先頭の一つ目を倒す。

 清音は刀を抜き、1匹目を横なぎに切り、2匹目を袈裟切りにする。

 3匹目は俺に向かってくる。

 俺は刀を抜き心臓を突く。

 清音が俺に言う

 「今日はここまでにしましょう。」

もう日か傾いてきている。

 半日で一つ目を9匹狩ることができた。

 俺は清音に聞く

 「この山は一つ目が多いのか。」

 「ええ、かなりいると思うわ。」

清音は答える。

 村に戻ると村長の家に行く。

 村長は俺に

 「どうでしたか。」

 「一つ目を9匹狩ったよ。」

 「それは素晴らしい。」

 「山にはまだ一つ目がいそうだ。」

 「今日の所はおくつろぎください。」

 「ありがとう。」

俺たちが帰ると待っていたように夕食が出される。

 俺にとっては異世界に来てから初めてのまともな食事である。

 清音は仮面をつけたまま食事をしている。

 とても器用だ。

 食事が終わると風呂を勧められる。

 風呂も異世界に来て初めてである。

 清音が俺の服を掴んでいう

 「一緒に入る。」

俺は赤くなる、彼女はかわいく言う

 「だめ。」

俺は非常にうれしいがスケベ心を抑える自信がない。

 村長が俺たちに言う

 「忌み人が魔法剣士様と一緒に風呂なんておこがましい。」

村長の言葉が俺に決意をさせる

 「一緒に入ろう。」

俺と清音は一緒に風呂に入ることになってしまう。

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