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7話 国府への道と襲撃

 植松良房は牢屋の地下に地下牢を造っている。

 俺たちが連れてきた捕虜はそこに隠されている。

 良房は捕虜に役に立てれば、役職に取り立てる約束をして情報を引き出している。

 俺たちが扶桑について1週間後、角倉に良房が菊を訪ねてくる。

 良房は菊と俺、清音に話す

 「捕虜は四條道隆の兵に間違いありません。」

 「そうですか。ほかに分かりましたか。」

 「能鬼師を動かしているのは、鬼柳儀幽という男のようです。」

 「聞かない名前ですね。」

 「はい、貴族にそのようなものはおりません。」

 「何かわかりましたか。」

 「密偵を放ちましたが戻ってきません。」

 「危険なようですね。」

 「はい、姫様から帝に報告をした方がよろしいと思います。」

 「分かりました。兵を500ほど扶桑に呼びたいのですがよろしいですか。」

 「構いません。」

俺と清音は捕虜を連れて、帝に菊の書簡を届けることになる。


 四條道隆は日野信当たちに相談する

 「私の兵が捕虜にとられたようです。」

 「殺してしまえばよいでしょう。」

 「それが密偵を送り込んだのですが、やられてしまったようです。」

 「私の所に密偵が来ましたよ。」

 「おお、鬼柳儀幽殿か、いかがしよう。」

 「すでに道隆殿のことは菊姫にばれているでしょう。」

 「それは困ったな。」

 「間もなく、姫の書簡と捕虜が扶桑から送られてくるでしょう。」

 「それはまずいぞ。」

 「すでに能鬼師を街道に配置しています。」

 「それはありがたい。」

 「道隆殿は先手を打って、2000の兵を動かして下さい。」

 「理由がありません。」

 「後から証拠を作ってしまえばよいのです。」

 「証拠ですと。」

 「謀反(むほん)の証拠です。」

 「そ、そうか。私は謀反人を討つのだな。」

 「はい。」

鬼柳が薄笑いを浮かべて答える。


 俺と清音は馬で国府に向かう。

 清音も馬に乗れるようになっている。

 2人の捕虜には、良房がつけた10人の護衛がいる。

 1日目、夕方になり、寝る場所を決めて陣を張る。

 深夜、地面の振動で目が覚める。

 清音もすでに起きている。

 俺は護衛を起こし静かにするように言う。

 しばらくすると振動の主が現れる。

 赤鬼である、しかも10匹いる。

 「能鬼師か」

俺はつぶやく。

 清音は気配を探っている。

 俺は刀に力を乗せ、刃の形にする。

 力の刃を飛ばすと木と一緒に赤鬼を5匹倒す。

 さらに力の刃を飛ばす今度は3匹を倒す。

 清音は能鬼師を見つけたようで、陣を飛び出していく。

 俺も陣を出て赤鬼の気を引く。

 赤鬼は右腕をふって俺を弾き飛ばそうとする。

 俺は飛び上がり、刀に乗せた力で刀身を伸ばし、赤鬼の首をはねる。

 残りの1匹は後ろに回り込み足を切り、倒れてきたところを首をはねる。

 清音が黒装束の死体を引きずってくる。

 彼女は能鬼師を捕まえたが自害されてしまったのである。

 それから3日間は襲撃はなく、俺たちは国府につく。


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