3話 川からの牛鬼の襲撃
護衛は急いで菊の乗る牛車を川から上げる。
俺は刀に力を乗せ、刃の形にすると力の刃を飛ばす。
刃は4匹の牛鬼を通りすぎる。
4匹は体が二つになり倒れる。
弥次郎と千代音も力の刃を飛ばすが牛鬼を傷つけるに終わる。
俺はさらに力の刃を飛ばし2匹を倒す。
牛鬼が俺に向かって走りだす。
俺は一番近い牛鬼の足を刀に乗せた力で刀身を伸ばし切り飛ばす。
倒れた牛鬼の首をはねる。
清音は牛鬼の前に立ち牛鬼の振るう腕を姿勢を低くしてかわし、間合いに入り横一閃する。
彼女には黒い牛鬼と違い確かな手ごたえがある。
牛鬼は胴を深き切られ倒れる。
弥次郎は刀に力を乗せ、牛鬼の足を切る。
牛鬼がバランスを崩し倒れるところを狙って首をはねる。
千代音は牛鬼のこぶしを避けると後ろに回り込む。
力の刃を飛ばし足の腱を切る。
牛鬼は倒れる。
千代音は刀に力を乗せ刀身を伸ばし首をはねる。
これで襲ってきた牛鬼はすべて倒したが、俺たちは気を抜かない。
どこかに能鬼師が潜んでいるのではと考え、気配を探る。
しかし、気配はない。
残り2台の牛車を警戒しながら、川を渡らせると俺たちはホッとする。
弥次郎が俺に言う
「つなさんの力はすごいですね。」
「しかし、剣技がまだまだです。」
「私たちには牛鬼を切り殺す力はありません。」
「それでも牛鬼に傷を与えていたではないですか。」
「人なら致命傷でしょうが化物相手で青鬼までです。」
「でも弥次郎さんと千代音さんがいるだけで、かなり楽に戦えます。」
千代音が話に加わる
「牛鬼が群れを成すなんて変だわ」
「それに日中に動いている。」
「やはり能鬼師ですか。」
清音が俺に言う
「気配はなかったわ。」
「待ち伏せかな。」
俺は、能鬼師ならこれは小手調べに違いないと考える。
菊が牛車から出てくる
「4人とも大儀であった。」
俺たちは片膝をつく
「これからも襲われると思うか。」
俺は答える
「能鬼師の仕業ならば、これは小手調べだと思います、」
「これからが本番か。」
「はい、本命は夜襲でしょう。」
「誰の仕業か分かるとよいが。」
「能鬼師は2回とも自害しています。」
「難しいか。」
「はい。」
俺たちは能鬼師を操るものを突き止める必要があるのだ。




