6話 武芸大会前夜
俺と清音、弥次郎、千代音の4人は街に出る。
狩った青鬼の角の換金が目的だ。
店に入ると店主が
「あんたたちかそちらの忌み人はどうしたんだ。」
弥次郎と千代音は鉄製の札を出す。
「これからもひいきに頼むよ。ところであんたたちつな様と清音様だよな。」
「そうですが。」
「武芸大会、あんたたちにかけているから勝ってくれよ。」
もう町の人に知れ渡っているらしい。
俺たちはそれぞれ青鬼の角4本を換金する。
青鬼の角は1本銀貨2枚銅貨5枚なので4本で金貨1枚になる。
その後、屋台で食事をすると店主が
「あんたたちつな様と清音様かい。」
「そうだよ。」
「かけているから勝ってくれよ。」
店主に聞くと町人の間で部外大会の賭けをしているらしい。
人気のあるのは貴族になったばかりのつなと清音だという。
他には平正虎と日野勝時に人気があるらしい。
千代音が俺たちに言う
「皆さんのためにも勝たなくてはなりませんね。」
「勝って千代音たちの剣術が素晴らしいって証明するよ。」
清音が答える。
城に戻ると九条正親が訪ねてくる。
俺と清音も菊の部屋に呼ばれる。
正親は俺たちに話し始める
「武芸大会を計画しました。つな殿と清音殿に優勝してもらうためです。」
菊が尋ねる
「つな様と清音様は優勝できそうですか。」
「障害となるのは、四條忠正と常盤法然です。」
「忠正は剣の天才、法然は悪評がありますね。」
「はい、法然はつな殿を殺そうとするかもしれません。」
「どんな技を使うのですか。」
「魔法の球を飛ばしてぶつけた相手を殺します。」
「魔法の球はコントロールできるのですか。」
「そのような話は聞いていません。」
俺は撃たれても避ければよいと考える。
いざとなれば手刀に力を乗せて刀を作り切ればよい。
さらに正親は娘の千代が近々訪ねてくるからよろしくと言って帰って行く。
俺はすごく嫌な予感を感じる。
日野信当たちは話し合いをしている
「つなと清音が国府に来てしまったぞ。」
「誰か阻止するものはいなかったのか。」
道隆がいう
「今、つなと清音が襲われれば我々が疑われます。」
「それより、武芸大会で確実に仕留める方が大事だと思います。」
「そうだな。」
「常盤法然と四條忠正の活躍に期待しよう。」
「つなには対戦相手を実力者で固めています。弱ったところを法然殿に仕留めてもらいましょう。」
すでに参加者は国府に集まってきている。
武芸大会開始まで1週間となっている。




