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5話 国府へ着く

 俺たちは良房のもとを去ると角倉へ向かう。

 菊は牛車で角倉に乗り付ける。

 宗七はすでに俺たちが扶桑に来ているのを知っているのか、待ち受けている。

 菊は宗七に言う

 「3日逗留する。よろしくお願いします。」

 「ごゆっくりお休みください。」

宗七は答える。

 俺と清音は宗七と部屋で話す

 「今回は武芸大会に出場のために来たのですね。」

 「もう知っているのですか。」

 「植松様から聞きました。」

 「そうですか。町の人は知っているのですか。」

 「まだ、知らないと思います。」

宗七は商売で良房と繋がっているのだろう。

 俺たちは角倉の離れを使わせてもらう。

 宗七は3日間で必要な物資を揃えてくれる。

 3日後、俺たちは扶桑を出る。

 町の人たちが見送りをしてくれる。

 武芸大会のことが知れ渡っているのか。

 「つなさん、清音さん勝てよ。」

 「がんばれよ。」

と声援がある。

 1日目から4日目まで何事もなく旅を続ける

 5日目の昼頃、川にでる。

 例のごとく、菊は牛車を降り、俺と清音に言う

 「つな様、清音様ついて来てください。」

 菊は川の上流に向かう。

 水浴びによい場所を見つけると服を脱ぎ裸になる

 俺と清音も服を脱ぎ裸になる

 そして、3人で水浴びをする。

 美少女2人との水浴びは俺にとって旅の癒しである。

 戻ると弥次郎が俺に聞く

 「3人で水浴びしているのか。」

 「みんなに内緒だぞ。」

 「みんな知っているぞ。」

 「そうか。」

すでに公然の秘密らしい。

 6日目の夜中、大牙が3匹陣の周りに来るがそのまま去って行く。

 7日目は何も起こらず旅を続ける。

 8日目の夜中、かすかな振動で目が覚める。

 清音と弥次郎、千代音はすでに起きている。

 しばらくすると、青鬼が4匹現れる。

 俺たちは静かにしてやり過ごそうとする。

 しかし、牛が鳴いてしまう。

 俺は刀に力を乗せ、刃の形にして飛ばし、青鬼2匹を切り殺す。

 清音と千代音は青鬼に奇襲して、清音が胴を切り、千代音が首を落とす。

 弥次郎は奇襲で右足を切り、青鬼がバランスを崩したところを首を切り落とす。

 物音に護衛たちが起きた時はすべて終わっている。

 9日目の夕方国府に着く。

 俺たちはそのまま門を通るが門番は何も言わない。

 菊姫の護衛に忌み人がいることが知られるようになったかもしれない。

 俺たちは道の真ん中を進むと城門に着く。

 門兵は大声を出す

 「開門。」

木製の両開き戸がゆっくり開いていく。

 それから100メートルほど進み、中門にたどり着くと菊は牛車から降りる。

 俺たちは菊に続いて門を通る。

 門兵が弥次郎と千代音を睨みつけるが何も言わない。

 建物の入り口で履物を脱ぎ、中へ入る。

 菊は俺と清音についてくるように言う、階段を2度上り、帝の間に通じる部屋にたどり着く。

 清音は面を外す。

 菊は部屋を守る2人の兵に言う

 「八宮尊皇の娘、菊、帝に目通りを願います。」

兵は何も言わずふすまを開ける。

 菊と俺たちは部屋に入り部屋の中央まで行くと正座する。

 部屋の1段高くなったところに帝が座り、兵が2人控えている。

 菊は帝に

 「菊、只今戻りました。」

と言って平伏する。

 俺たちも一緒に平伏する。

 「無事な旅だったようですね。」

 「はい、護衛が優秀ですので困難は起こりえません。」

 「用心なさい。」

 「はい。」

俺は風呂や水浴びのことを追及されるのではと心配していたが話題に上らなかった。


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