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2話 弥次郎と千代音

 弥次郎と千代音は旅を始める。

 千代音は弥次郎に言う

 「黒い牛鬼のことどう思う。」

 「会ってみないとわからないな。」

 「魔法や刀が通用すればいいけど。」

 「かなわなければ逃げればいいさ。」

夕方になると寝る場所を決めて木の上で寝る。

 深夜、大牙が2匹木の下に来る。

 弥次郎と千代音は木から飛び降り様、大牙に止めを刺す。

 2人はいつの間にか大牙の群れに囲まれている。

 弥次郎と千代音は背中合わせになる。

 群れは2人の周りを回り始める。

 そして、1匹、2匹と飛び掛かってくる。

 2人はそのすべてを一閃して仕留める。

 大牙はかなわないと見たのか去っていく。

 2人は15匹の大牙を仕留める。

 翌朝、夜のうちにさばいておいた大牙の肉を焼く、味付けは塩のみである。

 そして昼過ぎ鳴尾村に着く。

 2人が村に入ろうとすると村人が見つけて言う

 「忌み人が入って来るんじゃない。」

弥次郎と千代音は魔法剣士の証の木札を見せて言う

 「依頼を受けてきた。」

 「あんたら魔法剣士か、村長の所に案内する。」

村人は2人を村長の家に案内する。

 村長は2人を家の中に入れない。

 納屋に案内して、そこで話をする

 「夕方、牛鬼に村人が襲われました、この前依頼を受けた2人は返り討ちにあい、1人が死にました。」

 「分かりました、夕方までここで休ませてもらいます。」

弥次郎が答える。

 夕方になり、弥次郎と千代音は割目池に向かう。

 2人が池のほとりに立っていると突然、池の水を割って大きな黒い手が弥次郎の足を掴みに来る。

 彼は飛んでかわしながら手に小刀を投げつける。

 小刀は、大きな黒い手に当たるが刺さらず跳ね返される。

 弥次郎の表情が険しくなる。

 彼は千代音に言う

 「こいつ、固いぞ。」

 「牛鬼の刀ならいけるんじゃない。」

 「そうだな、だめだったら逃げるぞ。」

 「分かったわ。」

池の中から黒い牛鬼が姿を現す。

 千代音が刀を抜き、刀に力を乗せ、力の刃を作り、黒い牛鬼に飛ばす。

 力の刃は、牛鬼に当たるが、砕け散る。

 黒い牛鬼は飛び上がると、千代音の前に着地する。

 牛鬼は右腕を振り、彼女を殴り飛ばそうとする。

 千代音は姿勢を低くして腕をかわし、そのまま懐に入りすれ違いざま、横一閃する。

 しかし、彼女は牛鬼から距離を取ると表情が硬くなる。

 確実に切ったはずが手答えがないのである。

 彼女の刀は牛鬼の皮を切り傷つけただけである。

 「なんて奴。」

千代音は黒い牛鬼を睨みつける。

 牛鬼は素早い動きで彼女に迫る。

 弥次郎が刀に力を乗せ、刀を強化して、牛鬼を後ろから背中を切る。

 黒い牛鬼は痛みに

 「うおぉぉぉ」

と叫ぶ。

 ようやく牛鬼に出血のある傷を負わせることが出来る。

 千代音はその隙に下がり距離を取る。

 すると黒い牛鬼は、池に飛び込み姿を消す。

 弥次郎が千代音に言う

 「刀を力で強化してやっと傷を負わせることが出来たよ。」

 「私たちには傷をつけることが出来ても首は落とせないわ。」

 「そうだな、俺たちには無理だな。」

 「帰りましょうか。」

 「ああ。」

2人は、黒い牛鬼を倒すことはできないと判断する。

 彼らは村長の家に行き報告する

 「どうなりましたか。」

 「あれは俺たちには無理です。」

 「生きて帰って来られたのにですか。」

 「このまま牛鬼と戦い続ければ俺たちは死ぬでしょう。」

 「やってみなければわからないでしょう。」

 「だてに生き延びて来てはいません、あれには勝てません。」

弥次郎と千代音は村を出ていく。


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