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1話 黒い牛鬼

 国府から北東へ2日歩いたところに鳴尾(なるお)村がある。

 村のはずれには割目池(われめいけ)と言う池がある。

 夕方、仕事を終えた若い男女が池のほとりで話をしている。

 突然、池の水を割って大きな黒い手が男の足を掴み池の中に引きずり込む。

 女は恐怖に叫ぶと叫び声を聞いた村人が駆け付けてくる

 「どうした。」

 「手が、手が、手が」

女は錯乱(さくらん)し言葉が出ない。

 村人が池を見ると池の水が赤く染まる。

 他にも村人が来る

 「何があった。」

 「分からんが。」

池を指さす

 「何だあれは。」

再び大きな黒い手が水から出てきて、駆け付けた村人の足を掴んで引きずり込む。

 残った村人は女を連れて池から逃げ、村長の家に駆けこむ。

 村長は村人から大きな黒い手の話を聞き、化物退治の依頼を書く。

 そして村人に池に近づかないように知らせる。

 2日後、化物退治の依頼は国府のよろず仕事斡旋所に張り出される。

 金貨3枚の好条件にすぐに仕事を受ける者が出る。

 彼らは2人組の剣士である。

 2日かけ村に着くと村長の家に行く

 村長は2人に話をする

 「夕方、池のほとりにいると大きな黒い手が出てきて池の中に引きずり込まれるのです。」

 「分かりました、任せてください。」

2人は夕方を待って割目池に行く。

 2人が池のほとりに立っていると池の水を割って大きな黒い手が出てくる。

 2人は飛びのき、手をかわし、剣を抜く。

 手は地面に着き角のある牛の頭を水から出す

 「たか、黒い牛鬼だ。」

 「かず、どうする。」

 「牛鬼は初めてじゃないだろ。」

 「そうだが、少し違うぞ。」

 「関係ない退治するだけだ。」

たかとかずは切りかかる。

 しかし、黒い牛鬼の動きは早い、刀をかわすと、右手を振りかずを殴り飛ばす。

 かずは気を失う。

 たかは、黒い牛鬼の間合いに入って足を狙うが、後ろに飛んでかわされる。

 今度は、後ろをとろうと回り込む、そして再び足を狙う。

 黒い牛鬼は近づいてきたたかを振り向きざまに左こぶしで殴りつける。

 たかは、頭を殴られ首の骨を折られる。

 黒い牛鬼はたかを捕まえ水の中に戻っていく。

 かずが気が付いた時、すべてが終わっている。

 彼は傷ついた体を引きずって村長の家に戻る。

 彼は村長に黒い牛鬼のことを話す。

 国府のよろず仕事斡旋所には鳴尾村の黒い牛鬼の退治依頼の張り紙が出される。

 報酬は金貨10枚になっている。

 しかし、依頼を受けようとする者はいない。

 たかとかずはみんなが認める実力者であった。

 それが返り討ちにあっているのである。

 その依頼を受ける者が出てくる。

 弥次郎(やじろう)千代音(ちよね)の魔法剣士である。

 2人は忌み人であったが依頼請負人の中では最強ではないかと言われている。

 また、千代音は清音の剣の師匠である。


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