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17話 甘い旅路

 その頃、国府では、俺と清音の官位について議論されている。

 菊は俺たちの盗賊討伐の成功の知らせが来ると帝に具申する

 「熊野つなと柏森の清音に盗賊討伐の功があります。」

 「彼らに褒賞を取らせろと言うことか。」

 「官位が良いかと思います。」

大臣の九条正親が異議を申し立てる

 「この者たちは官位を得たばかりです、報奨金でよいかと思います。」

同じく大臣の四條道隆が続く

 「正親殿の意見は正論と思います。」

 「まだ、本人たちが帰ってきてはおらん、彼らの話を聞いて決めよう。」

 「はっ。」

貴族たちは俺たちが官位を上げるのを嫌っているようだ。


 俺と清音は宗七に別れを告げる

 「お世話になりました。」

 「いつでも戻ってきてください。」

 「はい、そうします。」

俺と清音は馬に相乗りして、予備の馬を連れて出かける。

 門では門番が

 「つな様、清音様、気を付けて。」

と声をかけてくる

 「ありがとう。」

清音が答える、俺はお辞儀をする。

 俺たちは、見えている景色が目まぐるしく変わっていくのを感じる。

 1日目の夕方になる。

 俺たちは寝る場所を決め、陣を張る。

 深夜、化け物は出てこなかった。

 翌朝、目を覚ますと清音が顔を覗き込んでいる。

 なぜか仮面を外している

 「どうしたの。」

俺は清音に聞く。

 清音は顔を赤くして

 「顔を見ていたの。」

 「本当。」

 「うそ、口づけしたの。」

清音のしぐさがかわいい。

 彼女は続ける

 「いやだった。」

 「うれしいよ。」

 「良かった。」

俺は幸せな朝を迎えることが出来た。

 2日目の夕方になる。

 俺たちは寝る場所を決め陣を張る。

 俺は清音に聞く

 「寝る前にしてもいい。」

 「いいよ。」

清音は目をつむる、俺は口づけをする。

 今夜はいい夢が見られそうである。

 深夜、地面と伝わる振動で目が覚める。

 清音も目覚めている。

 しばらくすると少なくとも5匹の赤鬼が俺たちの前を通り過ぎる。

 俺たちは陣を張っているので、赤鬼には見えず、静かにしていれば見つかる恐れはない。

 赤鬼が群れていることに能鬼師(のうきし)のことを思い出し、気配を探るがわからない。

 清音も能鬼師を探しているようである。

 俺の甘い夢は赤鬼に踏みつぶされてしまう。

 翌朝、俺と清音は話す

 「赤鬼が群れていたけど、能鬼師の仕業かな。」

 「私もそう思ったんだけど、わからないわ。」

 「少なくとも、俺たちが標的ではないね。」

 「そうね、また誰か襲われるのかしら。」

答えは出なかった。

 馬で少し走ると川に出る。

 清音は俺に言う

 「水浴びしたいわ。」

 「分かった。」

俺たちは道を外れ上流へと向かう。

 水浴びに適したところを見つけると俺は馬に水を飲ませる。

 清音は仮面を外し服を脱いで水浴びを始める

 「つなも早くしなよ。」

俺も水浴びを始める。

 金髪碧眼美少女との水浴びは、俺の旅の疲れを癒してくれる。


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