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14話 初めての口づけ

 扶桑では、町に行く道沿いで盗賊による被害が多発している。

 扶桑に向かう商人や旅人が襲われているのである。

 領主の植松良房は討伐部隊を出したが敗北する始末である。

 側室の子、竹丸を推す貴族の中から植松良房は領主にふさわしくないと声が上がっている。

 大臣たちは帝に討伐軍の派兵を具申してきている。

 菊はこのままでは植松良房の面目(めんもく)は丸つぶれであることを気にする。

 菊は帝に植松良房に援軍を派遣し再度討伐のチャンスを与えることを具申する。

 帝は承認して仔細は菊に任せることにする。

 俺と清音は菊に部屋に呼ばれる

 菊は俺に言う

 「馬は乗れるようになりましたか。」

 「走らせることはできるようになりました。」

 「それはよかったです。」

 「はい?」

 「清音と一緒に馬で扶桑へ行き、討伐軍を指揮して盗賊団を殲滅させてください。」

 「軍の指揮なんてできませんよ。」

 「分かっています、盗賊たちを皆殺しにして討伐軍を勝たせてほしいのです。」

 「分かりました。」

俺と清音はその日のうちに馬で国府を出る。

 俺は盗賊団は貴族が関わっていると考えている。

 盗賊団に俺たちの情報が伝わる前に扶桑に着き討伐しなければならない。

 国府から扶桑まで3日かかる。

 清音は馬に乗れないので相乗りで行く。

 また、予備の馬を連れていく。

 交代で馬を休ませながら走るのである。

 初日は、昼前に出たので距離は稼げていない。

 夕方になり、寝る場所を決めて、陣を張る。

 深夜、一つ目が4匹近づいてきて陣の周りを嗅ぎまわる。

 清音が陣を出て奇襲し1匹目の首をはね、2匹目を袈裟切りにする。

 俺は1匹目を上段から切り伏せ、2匹目をすれ違いざまに胴を切る。

 翌朝、早くから出発する。

 途中、川に出ると馬に水を飲ませるが水浴びの時間はない。

 2日目も夕方になる。

 寝る場所を決めて、陣を張る。

 馬の旅の間、清音は話しかけてこない。

 しかし、今夜は仮面を外している。

 そして清音は俺にもたれかかる。

 顔が赤い

 「し、信じてるよ。」

清音は小さな声で言う

 「俺も信じているよ。」

 「そうじゃないよ。」

 「どうしたの。」

 「だから、信じてるの、一緒にいるって。」

俺は清音を見つめる。

 清音は目をつむる。

 俺と清音は唇を重ねる。

 俺はキスだけでも夢見心地である。

 うん、これは大きな一歩だ。

 2日目の夜は化け物はこなかった。

 3日目、早朝から出発する。

 夕方近く、扶桑に着く。

 俺は門番に言う

 「菊姫の使いである、領主に至急取次願いたい。」

門番が1人走っていく。

 しばらくすると門番は戻ってくる。

 俺と清音は馬に乗ったまま領主の館へ行く。


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