9話 俺、無双する
５日目、昼近くになり道は林の中を通る。
俺たちは待ち伏せしやすそうな地形に警戒しながら行く。
すると前方の林の両側から甲冑を着た男たちが２００人ほど出てくる。
そして後方にも１００人ほど出てくる。
相手は軍隊を動かしたのだ。
よほど、菊を殺したいらしい。
護衛は相手の数の多さに冷や汗を流している。
清音は刀を抜きやる気満々である。
菊が牛車から降りてくる。
彼女は張りのある通る声で言う
「八宮尊皇の娘、菊と知っての狼藉か。」
相手の大将はすでに心を決めているようである
「抜刀。」
３００人が刀を抜く。
俺は刀を抜き、刀に力を乗せ力の刃にして、前方の敵に向かって飛ばす。
さらに刀に力を乗せ力の刃にして、後方の敵に飛ばす。
敵の集団が血しぶきで道を染める。
前方の敵は２０人、後方の敵は５人しか残っていない。
俺は護衛の３人に言う
「後ろを頼みます。」
俺と清音は２０人の敵に向かっていく。
敵はすでに戦意を喪失している。
１０人ほどを切ったところで、残りの１０人は降参する。
後方の敵は護衛の３人が始末する。
護衛が捕虜になった１０人に尋問する
「誰の配下だ。」
捕虜は答えない。
護衛が捕虜２人の首をはねる。
「佐竹邦直様です。」
捕虜の答えに俺は
「誰、それ。」
と聞くと護衛は説明する
「扶桑の領主です。」
俺は会っているが名前を憶えていなかった。
護衛は捕虜に
「どうして姫を狙う。」
「分かりません。」
護衛は捕虜２人の首をはねる
「知らされておりません。」
護衛は捕虜２人の首をはねる。
捕虜の１人が慌てて言う
「姫様が世継ぎになると困るからです。」
護衛はこの捕虜を残して３人の首をはねる。
彼らは捕虜を１人だけ連れていくことにする。
菊が俺を褒める
「そなたの魔法、見事であったぞ。」
「ありがとうございます。」
俺は膝をついて礼を言う
「あれこそ、天下無双の技よ。」
俺は菊が変なあだ名をつけないか心配になる。
しかし、菊はみんなの労をねぎらうだけで済ます。
護衛の話では、正室の子、菊と側室の子、竹丸がおり、貴族は権力争いを水面下で行っているそうである。
