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5話 宗七、固まる

 俺と清音は角倉の母屋にある大事なお客を招くのに使う部屋にいる。

 宗七は難しい顔をしている。

 まずは角を換金することにする

 俺たちは、一つ目の角7本、青鬼の角14本、赤鬼の角46本を出す。

 赤鬼の角の多さに宗七は驚き言う

 「赤鬼がこんなにどうしたのですか。」

 「後で、話します。」

一つ目の角は銀貨1枚銅貨2枚、青鬼の角は銀貨2枚銅貨5枚、赤鬼の角は銀貨5枚である。

 俺たちは金貨27枚、銀貨3枚、銅貨4枚に換金する。

 俺は宗七に訳を話す

 「扶桑に帰る途中、偶然、菊姫を助けてしまったんだ。」

 「姫様には多くの護衛がいたはずです。」

 「赤鬼5匹に襲われたんだ、護衛は3人しか残っていないし付き人も死んでしまっている。」

 「良く助けれましたね。」

 「菊姫は命を狙われている、能鬼師と言うのをやっつけた。」

 「能鬼師ですか、噂で聞いたことがあります。」

 「どんな噂ですか。」

 「鬼を操ると聞いています。」

 「それは聞いている。」

 「音の出ない笛で操るそうです。」

 「それは知らなかった。」

 「菊姫はつなさんと清音さんに入れ込んでいるようですね。」

 「2人とも官位をもらった。」

 「7位ですか。」

 「良く分かりましたね。」

 「菊姫はあなた方を取り込むつもりですよ、官7位は姫に会いに行くことのできる階位です。」

 「するとそのうち宗七さんも官7位になりますね。」

 「私まで巻き込まないでくださいよ。」

 「質問があるのですが。」

 「何でしょう。」

 「王族は人に裸を見られても大丈夫なのですか。」

宗七が固まる

 「宗七さんどうしましたか。」

 「まさか一緒に風呂に入ったのですか。」

 「いいえ、水浴びだけですよ。」

宗七は青くなる

 「頑張って責任取ってくださいね。」

 「えっ。」

 「菊姫はあなたを夫に狙っているんですよ。」

俺は焦る。

 清音の方を恐る恐る見る。

 彼女は微笑んでいる。

 俺はその微笑みが怖い。

 清音は俺に言う

 「菊姫と話したの3人で幸せになりましょ。」

どういう意味、分からない、俺は頭を抱える。

 宗七が俺に言う

 「菊姫が正室で、清音さんが側室になるのですよ。」

 「俺に人権はどうなるの。」

 「ありません。」

いつの間にか清音と菊は組んでいたらしい。


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