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28話 北の台地

 俺たちが、北の台地に着いたのは昼過ぎである。

 中へ分け入る前に村で渡された弁当を食べる。

 北の台地は、森になっており道はない。

 俺と清音は()()()()を通って森に入る。

 森の中には、動物や人の骨が散らかっている。

 俺たちは森の中を進むが化け物に会わない。

 俺は清音に聞く

 「昨晩の7匹で全部と言うことはないよね。」

 「おそらく、青鬼はあれで全部よ。」

 「なら、いないのを確認しているの。」

 「そうよ、青鬼は大食いだから大きな群れになることはないわ。」

俺たちは化け物に会わないまま、夕方を迎える。

 寝る場所を決めると陣を張り、木の上で寝る。

 深夜になると、振動が伝わってくる。

 清音が木を静かに降りながら俺に言う

 「赤鬼よ。」

 「俺がひきつけようか。」

 「私のが身軽だから赤鬼をひきつけるわ。」

俺は隙を見て赤鬼を攻撃する役になる。

 俺が下に降りると振動の主が現れる。

 清音は陣を出て赤鬼の気を引く。

 赤鬼は清音を捕まえようと中腰になり腕を振り回す。

 彼は後ろから近づくと刀に力を乗せ両足を切る。

 鬼はしりもちをつくように倒れる。

 清音はその瞬間、赤鬼の首をはねる。

 朝になり昼まで森の中を歩き回るが化け物に会わない。

 俺と清音は村長の家に帰ることにする。

 夕方、村長の家に着く。

 村長は俺たちを出迎える

 「北の台地はどうでしたか。」

 「赤鬼が1匹いただけです。」

 「では、青鬼はいないのですね。」

 「いません。」

家の中から安堵の声が聞こえる。

 俺と清音は、みんなと一緒に夕食を食べると風呂を勧められる。

 もちろん清音と一緒に風呂に入る。

 俺にとっては清音の顔と裸が拝める天国である。

 村長は俺たちのために一部屋用意してくれたが辞退する。

 俺たちは大部屋で雑魚寝する。

 朝になり、俺と清音は扶桑に戻ることにする。

 村長が俺に書簡を託す

 「これを扶桑の役所に届けてください。」

 「分かりました。」

俺たちは村人に見送られながら旅に出る。


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