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13話 世継ぎになる

 俺たちの行列は国府に着く門を通って大通りを進む。町の人々が馬車を珍しそうに見ている。

 城の外門に突き当たると護衛が言う。

 「菊姫である。戦勝報告と鬼柳、その妻華妖仙を討ち取った報告に来た。」

門兵が木製の扉を押すとゆっくりと開く。行列は入り100メートル位進むと中門に着く。

 ここでみんな馬車から降りる。今回はとった首を首桶に入れて持って来ている。

 俺たちは、中門を通ると中庭に案内される。俺たちは中庭の中央で片膝をつき着物の菊、千代、日奈は正座する。

 左右には貴族たちが並ぶ、帝が正虎と勝時を従えて出てくる。

 菊が代表して言う

 「四宮を攻めた佐山の軍2000を壊滅させて勝ちました。また鬼柳儀幽とその妻華妖仙を討ち取りました。」

九条正親が言う

 「首をあらためます。」

控えていた兵2名が首桶から鬼柳の首と華妖仙の首を掲げる。帝が言う。

 「よくやってくれました。町の防衛だけでなく、鬼柳とその妻まで打ちとるとは見事です。」

 「宗七、四宮防衛の功により官3位にします。」

 「はい。ありがたく存じます。」

 「達郎と美代、鬼柳討伐の功により官4位にします。」

 「はい。」

 「弥次郎と千代音、鬼柳討伐の功により官3位にします。」

 「はい。」

 「熊野つなと清音、鬼柳とその妻の討伐の功に官1位にします。」

 「はい。」

貴族たちがざわめく、魔法剣士と忌み人が官1位まで上り詰めたのである。帝は続ける。

 「なお、熊野つなを次代の帝とします。」

貴族たちのざわめきは大きくなる。帝は言う。

 「私の決めたことに異のある者は申し出よ。」

貴族たちは静かになる。

 「つなは、鬼柳を倒し、倭を救いました。また、優れた仲間と共に大きな成果を出しています。私の次には、つなたちがふさわしいのです。」

貴族たちは片膝をつく。俺は帝の世継ぎに認められたのだ。


 10年後、俺は帝位を継ぐ。宗七が計画した通り都を四宮に遷都する。そして、四宮で実現した改革を他の町でも行うようにする。

 最初、領主たちは不服だったようだが儲かるとわかると進んで従うようになる。現金なものだ。

 倭は急激に発展していく。それは隣国にも影響を及ぼす。鎖国はしているのだが秘密裏に交流はあるらしい。

 その中で奴国が倭に下りたいと申し入れてくる。奴国は疲弊して国の運営が出来なくなっていた。

 倭は奴国を併合するという形で吸収する。

 俺が帝になってこのようにいろいろ起きるがそれは未来の話だ。


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