5話 佐山の軍の動き
佐山の軍の動きは、1週間ほどで扶桑の領主植松良房の情報網に引っかかる。良房の放っている密偵に感づかれたのだ。
良房は、佐山の軍の動きを帝と菊に書簡で送る。佐山の軍は町を避けて移動しており、すでに倭の国内をかなり進んでいる。
帝は書簡を読み、日野翔馬と九条頼之を召喚する。
帝は2人に言う
「佐山の軍が国内を進軍中です。それぞれ兵3000をもって、これを討ってください。」
「はっ。佐山の軍の目的は何でしょうか。」
「まだ、わかっていません。補足次第討ってください。」
「分かりました。」
2人は下がる。
頼之は、翔馬に聞く
「佐山の軍は、どこに向かっていると思いますか。」
「四宮でしょう。佐山は四宮に恨みを持っています。」
「私怨で軍が動いているのですか。それに無意味です。」
「それしか思いつきません。彼らの行軍は、死の強行軍です。」
2人は、鬼柳のことについてよく知らない。しかし、四宮が狙われていることは分かる。
書簡は菊にも届く。菊は俺たち6人と宗七、影平を呼ぶ。
「佐山の軍が倭の国内を進軍しているそうです。目的は不明です。」
「宗七殿の考えがあたりましたな。」
影平が言う、菊が宗七に質問する
「この事態を予測していたのですか。」
「はい、可能性の一つとして策を用意しています。」
「頼もしいですね。」
俺が言う
「俺たちなら優位に戦えますよ。」
「つな様たちには館に残って鬼柳に備えてもらいます。」
「鬼柳が館を襲うというのですか。」
「佐山の軍は陽動です。戦の方は私が指揮しますので安心してください。」
宗七と影平は防衛網の構築のため下がって行く。
菊が俺たちに言う
「ついに、鬼柳と決着をつける時が来ましたね。」
「陣がうまく反応してくれればよいのですが。」
弥次郎が言う
「鬼柳の初手を防げるかで勝敗は左右されますよ。」
弥次郎は、鬼柳の襲来に気づかなければ、最初に3人殺されると読んでいる。
宗七と影平は、土木職人を集めて町の周りに堀と木の柵を作り始める。
作業は、人夫と兵たちが行っていく。




