表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
235/244

4話 佐山の軍の出陣

 鬼柳は、軍の指揮官の眼鬼を呼ぶ。鬼柳が眼鬼に兵の強化を指示して3か月が経つ。

 「兵たちは強くなったか。」

 「はい、鬼に対抗できるほどになりました。」

眼鬼はうそを言う。彼は人間の力を低く見ているため訓練を怠っていたのだ。

 訓練は配下の者に任せて、自分は兵の熟練度を知らない。

 「ならば四宮の兵1000に後れを取ることはないな。」

 「はっ。」

眼鬼は自分の立場が危うくなったことを知る。

 四宮の軍は、大治の戦で倭の勝利を決定した精鋭である。

 半数しかいないとはいえ、佐山の軍2000では勝利は危うい。

 眼鬼は、鬼を使うことを考える。

 「鬼柳様にお願いがございます。能鬼師をお貸しください。策略がございます。」

 「好きなだけ連れていくがよい。」

 「ありがとうございます。」

眼鬼は持ち場へ去って行く。

 華妖仙が鬼柳に言う

 「眼鬼に任せてだいじょうぶですか。」

 「勝ち負けは関係ないのだ。つなたち6人を領主の館から戦場に引っ張り出せればよいのだ。」

 「何を企んでいるのですか。」

 「菊姫と側室たちを血祭りにあげてやる。館を使用人たちの血で染め上げてやろう。」

 「彼女たちには、私も恨みがあります。ご一緒してよろしいですか。」

 「つなたちは、勘が鋭い。お前では見つかるかもしれん。」

 「分かりました。吉報を待つことにします。」

華妖仙は引き下がる。

 眼鬼は出陣の用意に取り掛かる。

 四宮までは戦をせずに行軍しても3週間以上かかる。このため食料の確保は重要である。

 眼鬼は村々から食料を徴収する。村人たちは、これ以上食料を取り上げられたら冬を越すことが出来ないと訴えるが聞き入れられない。

 さらに、彼はすべての鬼を連れていくことにする。鬼を四宮の軍に突入させて軍が乱れたところを討つつもりなのだ。

 準備が整うと佐山の軍は出陣する。行動を察知されないように大治を大きく迂回して進む。

 村に行きあたると、皆殺しにして食料を奪っていく。

 眼鬼は、行軍を見た者は皆殺しにするように指示する。

 行軍は、不幸な村や旅人を飲み込みながら進んでいく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ