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1話 宗七の推測

 俺たちは、鬼柳について話す。

 宗七が皆に言う

 「鬼柳の接近に気づいた人はいますか。」

誰も答えない。

 みんなが気づいたのは、火に投げ入れた華妖仙の腕を奪われた時である。

 鬼柳は、その前に清音、千代音、美代から華妖仙の残りの腕と足を取り戻している。

 3人が気づかないはずがないのだ。

 それなのに気づいていない、鬼柳が何らの術を使っているに違いない。

 さらに宗七は言う

 「鬼柳は、私たちの目の前で姿を消して見せました。」

みんな黙っている。

 宗七は続ける

 「私は、鬼柳が見えなくなっただけで、一瞬でどこかへ行ったのではないと思います。」

俺が宗七に聞く

 「奴は、悠々と立ち去ったというのですか。」

 「はい、一時的に鬼柳が判らなくなる術を使ったと思います。」

弥次郎が言う

 「それなら、姿を見せずに俺たちを皆殺しにしているだろ。」

 「技には、欠点があって、数秒しか使えないとしたらどうですか。」

清音が言う

 「それなら連続して使えばいい。」

 「一度使ったら、少しの間使えないと思います。」

 「どうして。」

 「私たちに話しかけていたでしょ、時間稼ぎだと思います。」

弥次郎が宗七に言う

 「それが正しいとしても、戦えば最初に3人殺されますよ。」

 「言うとおりだと思います。つな様、陣のようなもので察知することはできませんか。」

 「札で強力な陣を張れば、判るかもしれません。」

 「それは、人に影響がありますか。」

 「いいえ、霊や妖怪の侵入を妨げるだけです。」

 「妖怪とは何ですか。」

 「化け物のようなものです。」

 「つな様、館に強力な陣を張ってください。」

 「わかりました。」

俺は、館の周りに札で陣を張る。

 さらに館の中に札で仕掛けをしておく。

 後日、宗七が俺に提案する

 「町に陣を張れませんか。」

 「そんなに広いところは無理ですよ。」

 「鬼柳が町に入ったことが判れば、事前に準備できそうですが。」

 「宗七さんの言うことは分かりますが何日かかるかわかりません。」

 「それなら館の周りにもう一回り大きい陣を張って下さい。」

 「なるべく大きい物を張りましょう。」

俺は宗七の提案になるべく応えることにする。

 これで数秒かもしれないが館に侵入される前に鬼柳を察知できるかもしれない。

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