5話 つなに対する認識
俺と清音は、館に帰る。
すると千代と日奈に見つかる。
日奈が言う
「町に行くなら私も連れて行ってください。」
俺は、清音と2人きりになりたくて黙って抜け出したのである。
千代と日奈は、夕食になるまで俺に付きまとう。
夕食になり、俺はみんなに話す
「今日、清音と町に出た時、女を助けました。」
「また連れ込んだのですか。」
影平が言う。
彼から見て、俺は女にだらしないらしい。
「いいえ、連れ込んでいませんが、すごい美女でした。」
「名前とか聞いたんですよね。」
弥次郎が乗り出す。
「華妖仙と名乗っていました。」
「今度は、いつ会うんです。」
弥次郎は千代音に殴られる。
「二度と会いたくありません。」
俺が言うとみんなが俺の体調を心配し始める。
清音が言う
「つな、女から逃げるように離れた。」
ついに黙ってみていた宗七が言う
「つな様、疲れが貯まっているのですね。しばらく休みましょう。」
俺は、みんなが落ち着くのを待ってから言う
「華妖仙は危険です。」
菊が質問する
「どういうことですか。」
「華妖仙からは異様な気配を感じたのです。それに俺を狙ったように男に追われて来ました。」
「鬼柳の手の者と言うことですか。」
「男をはめるのに美女を使うのは有効な手段です。」
「そうですね。つななら女を使うのは有効ですね。」
菊も俺が好色だと思っているらしい。
「俺が言いたいのは、華妖仙が俺以外を狙って来るかもしれないということです。」
「華妖仙の特徴はどんなですか。」
宗七が聞く
「20歳代くらいに見えて、美女です。」
俺は答えると付け加える
「美しさは妖艶と言った感じです。」
宗七が言う
「分かりました。館の者たちに周知しましょう。」
俺の発言で夕食はいつもと違う雰囲気になる。
翌日、華妖仙は、館の門の前を通る。
門には、門番がいるが、華妖仙は門番に流し目をする。
門番には、宗七からの華妖仙と言う美女に注意するようにという知らせがあった。
しかし、華妖仙の美しさに門番は虜になる。
次の日も華妖仙は門の前を通り、門番に流し目をする。
3日目、華妖仙が門を通りかかると門番が彼女に声をかける
「最近よく見かけるがどこの人ですか。」
「私は桔梗と言う呉服屋に奉公している者です。」
「名前を教えてください。」
「はなと申します。店に来ていただけると嬉しいです。」
「必ず行きます。」
門番は、はなに会うために着物を仕立てることを考える。




