4話 華妖仙、つなに会う
女は、国府の門の外で行商人と護衛の剣士の2人に近づく。
2人は、扶桑へ行く途中、険悪な中になり、剣士は行商人を手にかける。
剣士は女に言う
「俺と来い、お前のために人を手にかけたのだ。」
女は
「人殺しといられません。」
と言い放つと逃げ出す。
剣士は女を捕まえる。
女は叫ぶ
「やめてー」
女は剣士の腕を噛むと再び逃げ出す。
そこへ4人組の剣士が駆け付ける。
女は剣士たちの中に逃げ込むと一息に言う
「盗賊です。一緒にいた行商人が殺されました。」
4人組の剣士たちは剣を抜くと剣士に切りかかる
剣士は
「俺は護衛だ。」
と言うが言い訳にもならない。
剣士は4人組に切り殺される。
女は4人組の剣士に守られて扶桑にたどり着く。
扶桑にたどり着いた時、4人組の剣士は解散する。
女は言う
「男って馬鹿ばかりね。」
女はさらに四宮へ行く商人を探し始める。
彼女は町の中で四宮の商人を見つけ、取り入る。
商人は、女を連れて四宮へ向かう。
彼は旅の間に骨抜きにされる。
そして、四宮に戻ると自滅する。
女は四宮に着くと町のごろつきを魅了する。
俺たちは、大治の戦が終わって日常に戻っている。
俺は清音と2人で、菊たちの目を盗んで町に出ている。
俺と清音は、いまだに貴族の生活になれていない。
それは、弥次郎、千代音、達郎、美代も同じである。
俺たちは屋台で昼食を食べ、町をぶらついている。
そんな俺たちの前を女が逃げてくる。
後には、人相の悪いごろつきらしき者が追いかけている。
まるで俺に助けろと言わんばかりのシチュエーションである。
女は、俺の後ろに回り込み
「助けて。」
と言う。
男たちは、俺と女を取り囲み言う
「痛い目に会いたいのか。そこをどけ。」
俺は立っているだけで巻き込まれてしまう。
男たちは問答無用と言わんばかりに殴りかかってくる。
俺は男の右こぶしを避けるとすれ違いざまに当て身を加える。
男は倒れる。
俺はさらに2人に当て身を加える。
そこで男たちは逃げていく
「覚えていろー」
の捨て台詞も忘れていない。
女は、妙齢の美女である。
彼女は言う
「お強いのですね。私は華妖仙と申します。お名前を教えてください。」
「つなと言います。連れがいますのでこれで。」
俺は女から逃げるように離れる。
清音が俺に言う
「すごい美人ね。」
「そうだね。」
「世話を焼かないの。」
「怖いから近づかないのさ。」
俺は、華妖仙に異様な気配を感じたのである。
それに、俺は女に弱いようだから、このままいたら華妖仙は館までついてくるかもしれない。
逃げるが勝ちなのだ。
華妖仙は、苛立ちを覚える。
これまで落とせなかった男はいない。
ところが、つなは華妖仙に見向きもしないのである。
つなは、少女好きかとも思ったが、どんな男も華妖仙の魅了にはかなわないはずなのだ。




