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1話 奴国の事情

 帝は、俺と清音を呼ぶ。

 俺たちが帝の所に参上すると帝は人払いをする。

 帝は、俺たちに言う

 「菊は元気にしていますか。」

 「はい、元気です。」

帝はうなづく。

 「私は、つなと清音を処罰しなくてよかったと思っています。」

 「私たちは、いかなる処罰も受けるつもりでいました。」

 「そうですね。あなたたちは変わらないのでしょう。」

 「今、倭を救うのは、つなと清音だと考えています。」

 「私たちのほかにも腕を上げている者がおります。」

 「それはあなたたちといるからです。」

 「敵の大将を討ち取ったのは、つなでしたね。」

 「はい、孟鬼を討ち取りました。」

 「ほかの者では後れを取ったのではないのですか。」

清音が言う

 「つな以外に勝てる者はいなかったわ。」

 「そうですか。私は帝位をつなに受け継ぐようにします。」

 「私が継ぐのですか。」

 「いつ、鬼柳が私の首を取りに来るかわかりません。万一に備えてです。」

 「私には荷が重いです。」

 「仲間がいるでしょ。仲間を信頼しなさい。」

俺に帝の言葉は重い。


 鬼柳は奴国の国王に召喚され都の篠川京にいる。

 国王は鬼柳に言う

 「なぜ、大治を攻めた。」

 「倭の兵が奴国に侵入したからです。」

 「私は報告を受けていないぞ。」

 「このような小事、報告はいらないでしょう。」

鬼柳が国王を睨む。

 「そうであるが、これからは、些細(ささい)なことでも報告してくれ。」

 「分かりました。では早速、報告します。」

 「なんだ。」

 「佐山の軍は、全滅しました。2000人程の兵を佐山に送ってください。」

 「全滅したのか。はい、陛下からつけていただいた副将が戦場で逃走して軍が乱れたのです。」

 「あの者がおじけづくとは思えんぞ。」

 「私の言葉を疑いますか。」

 「分かった。兵2000を送ろう。」

 「ありがとうございます。」

鬼柳は悠々と去って行く。

 大臣たちが国王に言う

 「鬼柳を野放しにしておくのですか。」

 「誰が奴を倒すのだ。」

大臣たちは黙り込む

 「奴国の王は、私ではない、奴が成り代わっているのだ。」

国王は吐き捨てるように言う。

 華妖仙は、鬼柳に言う

 「酷い言われようですよ。放っておくのですか。」

 「奴らには、何もできないさ。言わせておけばよい。」

鬼柳は意にかえさない。

 「今度は、私が倭に行こうと思いますが。」

 「つなを仕留めるつもりか。」

 「はい。」

 「清音も強いぞ。」

 「私が、つなを清音から取り上げて見せます。」

 「悪趣味だな。」

 「女の楽しみですよ。」

華妖仙は、微笑むが妖艶な雰囲気が漂う。


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