7話 奇襲
俺の第1部隊と清音の第2部隊が雑鬼と火鬼の軍とぶつかっている頃、佐山の陣に北側から4騎近づいている。
弥次郎、千代音、達郎、美代が馬で佐山の陣に突入したのだ。
佐山の陣は南側の戦場に気を取られている。
4人は陣にいる能鬼師を切り殺していく。
孟鬼の側近たちがいち早く気づき、4人に迫る。
4人は力の刃を放つと陣から立ち去る。
側近たちのうち3人が力の刃で切り殺される。
孟鬼は怒る
「何をやっている。たるんでいるぞ。」
雑鬼と火鬼の軍が押されていることも孟鬼の怒りに油を注いでいる。
弥次郎、千代音、達郎、美代はそのまま大治に入る。
弥次郎が俺に報告する
「能鬼師の大半は始末しましたよ。」
「ご苦労様です。敵の大将は見ましたか。」
「1人強そうな者がいました。」
「かないそうですか。」
「やってみなければわかりません。」
「予定通り第3部隊の到着を待ちましょう。」
「そうですね。」
俺たちは、宗七の指示通りに行動して成功したのである。
勝成が4人に挨拶する。
午後になると九条頼之の軍1000が合流する。
頼之は、俺たちに会いに来る
「つな殿、お会いしたかったです。土蜘蛛を討伐してくれてありがとうございます。」
「土蜘蛛の討伐はこちらの達郎の働きが大きいです。」
「そうですか、よくぞ兵たちの敵を取ってくれました。」
「どうも。」
達郎は頼之に手を握られて困惑している。
勝成は明日のことを決めるため、俺たち、翔馬、頼之を集める。
勝成は言う
「私たちは十分な戦力が揃っています。明日は、攻めてみたいと思いますが。」
俺は言う
「俺たちは、第3部隊の到着を待ちますので動くことが出来ません。」
勝成は慌てて言う
「私は、つな殿と清音殿を頼りにしていました。」
「俺たちは軍師の指示で動いています。第3部隊の到着まで守りに徹します。」
「そうですか。」
翔馬が言う
「私と頼之殿で遊軍になります。」
「分かりました。しばらくは守ることにしましょう。」
勝成はこのまま守ることにする。
孟鬼は陣を奇襲されたことで警戒し、午後は軍を動かさなかった。
その間に大治は1000の軍が合流している。
孟鬼は少数の精鋭の援軍を警戒する。
もし、隙を見せれば、奴らは本陣まで攻めあがってくるだろう。




