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2話 1日目の終わり

 佐山の軍から太鼓を打ち鳴らす音が聞こえる。

 また、兵1000が横陣形で前進を始める。

 翔馬は軍を鶴翼の陣にする。

 翔馬の軍は佐山の軍が近づくと左右に分かれて、佐山の軍の後ろに回り込む。

 翔馬は指示を出す。

 「赤鬼を狙え。」

佐山の軍は前進をやめない。

 翔馬の軍は赤鬼10匹を倒す。

 佐山の軍はそのまま大治の柵に突進する。

 大治の兵は柵の内側から佐山の兵を刺し殺していくが突進は収まらない。

 柵の外には佐山の兵の死体の山ができる。

 翔馬は佐山の軍の動きを警戒する。


 佐山の軍では孟鬼が面白そうに見ている

 「大治にもやる奴がいるな。」

孟鬼が言うと雑鬼が言う

 「私にお命じください。」

火鬼が割り込む

 「ぜひ、私に。」

 「はやるでない。今日はもうすぐ夕方だ。ここまでだな。」

孟鬼は、2000の兵の死を何とも思っていない。


 日が暮れると戦が終わる。

 佐山の兵は全滅している。

 翔馬は佐山の兵の死体を調べる。

 そして、佐山の兵の武器がすべて牛鬼の角でできていることに気づく。

 翔馬は兵に佐山の兵の武器を回収するように言う。

 倭の軍の武器は、赤鬼の角を使っている。

 赤鬼の角より牛鬼の角の方が切れ味が鋭く強度がある。

 翔馬は、兵の武器を佐山の兵が持っていた武器と取り換える。

 大治の兵たちも武器を牛鬼の角でできたものに取り換える。

 佐山の2000人の兵の死体は柵から10メートル位離れたところに土塁のように積み上げられる。

 そして、大治側の兵たちは見張りの兵を残して門の中に入る。

 勝成が翔馬を迎える

 「日野殿、見事な采配(さいはい)でしたぞ。」

 「はい、兵が指示通りに動いてくれました。」

 「明日も奮戦をお願いします。」

 「今日は佐山も様子見でしょう。明日、佐山が動くかもしれません。」

 「そうですな、今日は単調な攻撃でした。」

翔馬は、佐山の軍は2000が主力で、残りは素人の集まりだと考えている。


 孟鬼は雑鬼に言う

 「明日動いてみるか。」

 「はっ。その言葉待っていました。」

 「1000の雑兵を出したら、あの部隊が出てくるはずだ。」

 「はい、蹴散らして御覧に入れます。」

雑鬼は、はやる心を抑えて答える。


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