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7話 要求

 忠正は、勝成に頭を下げながら言う

 「私の配下の兵が奴国に侵入して殺されました。」

 「なぜ忠正殿の兵が奴国に侵入するのです。」

 「配下の者は草原を索敵していて敵兵に遭遇して追いかけているうちに奴国に入ってしまったのです。」

 「私は、索敵は町の周りだけと指示しましたぞ。」

 「申し訳ございません。」

 「戦争の火種を作るとは・・・」

 「戦働きで失態を取り返したいと思います。」

 「忠正殿は、ことの重大さが判らないようだ。帝にこの件、ご報告いたします。」

 「・・・」

忠正は頭を下げたまま動かない。

 勝成は自分の部屋に引き返していく。

 勝成はこの件を帝と菊に書簡で報告を送る。

 5日後、帝に勝成の書簡が届く。

 帝は書簡を読むと九条頼之を呼び出す。

 帝は頼之に言う

 「四條忠正が戦の火種を作ってしまいました。」

 「何があったのです。」

 「忠正の兵が奴国に侵入して殺されました。」

 「それは・・・」

 「直ちに準備をして、大治へ向かってください。」

 「はい。」

 「忠正の後任には、日野翔馬(ひのしょうま)を向かわせます。」

日野翔馬は、武芸では無名であるが思慮深い人物といわれている。

 翔馬は馬を使って1人で大治に向かう。

 頼之が、一緒に行くように勧めたが、彼は時間がないと馬で飛び出していったのである。

 菊の元にも勝成からの書簡が届く。

 菊は、俺たち6人と宗七、影平を呼ぶ。

 彼女は俺たちに話す

 「四條忠正が戦の火種を作ったそうです。」

 「何をしたのですか。」

 「兵が奴国に侵入して殺されたそうです。」

 「では、出発の準備を・・・」

 「待ってください」

宗七が止める

 「まだ、戦は始まっていません。」

 「待つのですか。」

 「とりあえず、第3部隊を豊治に向かわせます。」

 「足の遅い第3部隊を先行させるのですね。」

 「はい、富貴なら軽率な行動はしないでしょう。」

 「豊治なら歩いて3日で大治に着きますね。」

 「はい、戦が始まったら私が豊治へ行き、第3部隊を率います。」

 「第1部隊と第2部隊は四宮から直接向かってもらいます。」

 「分かりました。開戦を待つことにしましょう。」

菊は勝成に書簡を送る。


 佐山では孟鬼が鬼柳に言う

 「敵が攻め込んできたんだ。戦ってもいいですね。」

 「待ちなさい。手順があります。勝手に動いてはいけません。」

 「はっ。」

鬼柳は兵に書状を持たせる。

 兵は竹の棒の先に書状をはさむと馬に乗り大治へ向かう。

 彼は大治の門の前で止まると大声で言う

 「佐山の領主鬼柳様から大治の領主への書状を預かってきた。」

 門の近くにいた兵が近づくと彼は竹の棒の先に挟んだ書状を突き出す。

 兵が書状を受け取ると彼は佐山へ帰って行く。

 書状は、勝成の元に届けられる。

 勝成が読むと

 草原を奴国のものとすることと村2つの割譲が要求されている。

 そして、要求をのまなければ1週間後に大治を攻め滅ぼすと書かれている。

 要求は当然のめるものではない。

 勝成は1週間後、戦が始まることを帝と菊に報告を送る。


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