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11話 町の収入、倍になる

 外町の門が完成してから3か月が経つ。

 外町の商店は開業して賑わいを見せている。

 町の収入は毎月増えてきている。

 宗七は1年で町の収入を倍にすると菊に宣言しているがもう少し早く達成しそうである。

 また、10人隊の兵が村々を巡回しているため、四宮周辺の街道は比較的安全になっている。

 これは、村人が四宮に野菜を売りに来るための安全を確保している。

 そして四宮の野菜の質が良いとほかの町にも知れ渡り始めている。

 村人が現金収入を得ることにより、村人は、町で買い物をするようになる。

 村人たちの生活が良くなってきているのである。

 影平と宗七は、菊に街の状況を報告する

 「毎月、収入が増えていますね。」

 「はい、開業する店が増えてきているので町が大きくなっているのです。」

 「減税の効果は出ていますか。」

 「税が安いため新規の出店をしやすくなっています。」

 「では、宗七の考えは当たっていたようですね。」

 「村人も常設市場に野菜を売りに来て、現金収入を得ています。」

 「人気があるようですね。」

 「それに質の良い野菜が高く売れることもあって、村人の作る野菜の質もよくなっています。」

 「確かに最近、野菜の味が良くなっている気がします。」

 「四宮の野菜の質の良さはほかの町にも知られるようになってきています。」

 「ですが他の町に運ぶと鮮度が落ちますね。」

 「その通りです。保存できる野菜にも力を入れるべきだと思っています。」

 「他にも乾物なども良いと思いますよ。」

 「はい、参考にします。」

宗七は役人に野菜を扱う商店と乾物を扱う商店の商品の調査をさせる。

 そして、村でできそうな物の目録を作り、各村の村長に送る。

 作る物はあくまで村人に任せるのである。

 さらに3か月が経つ。

 町の収入が倍になる。

 外町には内町と変わらないくらい食事処と宿ができる。

 宿が増えるのはほかの町から来る商人が増えている証拠である。

 影平と宗七は町の状況を報告すると菊が言う

 「よくやってくれています。町の収入も約束通り倍になりましたね。」

 「ありがとうございます。」

 「馬の生産はどうですか。」

 「3つの村で行っております。数が揃うのはもう少し先になりそうです。」

 「そうですか。馬車に早く乗ってみたいものです。」

 「馬車の完成もまだです。」

 「牛車の車ではだめですか。」

 「はい、速度が違いますので衝撃を和らげるものが必要になります。」

 「そうですか。つなに聞いてはどうですか。」

 「つな殿が発案者でしたね。」

宗七はつなに聞くことにする。

 俺は混浴で癒された後、いつものように中庭で涼んでいる。

 宗七は中庭に来ると俺に話しかける

 「馬車について質問してよいですか。」

 「はい、何でしょう。」

 「今、馬車の制作に行き詰っています。」

 「どういうことですか。」

 「馬車は速度が速いため、反動を殺す装置が必要です。」

 「それならサスペンションをつければよいです。」

 「()()()()()()()ですか。」

 「ああ、強力なばねです。板を重ねて作ったばねなどどうでしょう。」

 「それで反動を抑えるのですね。」

 「はい、板バネと言います。」

 「さっそく、試してみます。」

宗七は良い案を得たと去って行く。

 それからしばらくして馬車は完成する。

 板バネを使っているためか、牛車より乗り心地は良い。


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