7話 村の改革案
宗七と影平は、村の年貢を収穫の半分とした。
彼らは年貢を重くする代わりに不作の時は援助することとした。
さらに、村で作った物を四宮の市場で売ることを許可する。
彼らは、新しい町の一部に農村用の市場を作ることにする。
これで村人にも現金収入が得ることが出来る。
宗七と影平は、この施策を菊の所へ持っていく。
菊は2人に難色を示して言う
「年貢が高すぎます。村々の反発を招きますよ。」
「そのために村人に作物などを売る機会を与えるのです。」
「貧しい村はどうするのですか。」
「冬を越せないようなら援助します。」
「そうですか。」
菊は俺を見て言う
「つなはどう思いますか。」
「なぜ、年貢を収穫の半分としたのですか。」
「私たちは村の収穫高を調べています。」
「村の調査をしていましたね。」
「彼らは余った作物を村々で交換したり蓄えています。それに村長はどの村でも使え切れない程の財を蓄えています。」
「村長だけが儲けているのですか。」
「はい、村長の収穫の取り分は村によって違いますが、村人の収穫の7割ほどを取り上げています。」
「村長が利益を取りすぎているのですね。」
「そうです。」
「しかし、今度は村長が困りませんか。利益を上げられなくなります。」
「村長には、村のまとめ役としての給料を払います。」
「それなら反発は少ないかもしれませんね。」
「つな、あなたは賛成するのですか。」
「試すべきだと思います。」
「そうですか、今少し考えさせてください。」
俺は宗七に言う
「貧しい村は、狭いのですか。」
「いいえ、水田を維持する水が少ないのです。」
「では、馬の繁殖をさせてはどうですか。」
「良いですね。」
影平が言う
「馬など増やしてどうするのですか。牛の方が良いと思いますが。」
「馬は軍で買いあげます。馬車ですよ。」
「馬に車を引かせるのですか。」
「はい、2頭引きで兵員を輸送するのです。」
「さすがは宗七殿です。戦の常識が変わりますぞ。」
「これは、つな様の考えです。」
「そうでしたか。つな殿は不思議な方だ。」
俺は影平に褒められたと思うことにする。
宗七と影平が帰った後、菊が俺に聞く
「あの案でよいのですか。」
「うまくいけば、村人も金を稼ぐことになります。」
「はい、そうなるでしょう。」
「稼いだお金はどうしますか。」
「使うでしょうね・・・町にお金が回りますわ。」
「町と村が経済でつながります。」
菊は考え込んでから俺に言う
「馬の考えは良いですね。」
「はい、進軍を早くできます。」
俺は答える。
翌日、菊は宗七と影平の村の改革案を承認する。




