5話 戻る日常
夕方近くになると弥次郎、千代音、達郎、美代が館に帰ってくる。
４人は、俺と菊、清音がいる菊の部屋に来る。
彼らは、部屋の中央で正座すると弥次郎が代表して言う
「菊姫様、肝心な時にいることが出来ずすみません。」
「気にすることはありませんよ。」
「はい。」
４人は平伏する。
俺は弥次郎に聞く
「兵の訓練をしているそうですけど、何をしているのですか。」
「宗七さんが兵を１０人１組で村を回らせることにしたのです。」
「兵に戦う力をつけさせるつもりですね。」
「そうです。私たちは彼らが化け物と戦えるように訓練しているのです。」
「兵たちは使えそうですか。」
「うまく力を合わせることが出来れば戦えるでしょう。」
菊が感心して言う
「宗七は、もう軍の強化に着手しているのですね。」
弥次郎が俺に聞く
「鬼柳の配下を倒したそうだが強かったですか。」
「向こうの方が強かったです。私たちを見くびっていなければ負けていたでしょう。」
「つなさんと清音は、ずいぶん腕を上げたと思いますよ。」
「どうしてですか。」
「黒鬼を３匹、２人で討ち取っていますから、もしかすると私より強くなっているかもしれない。」
「そんなことないわ。短い時間で腕が上がるわけないわ。」
千代音が言うと弥次郎は言う
「明日、試してみますか。」
俺と清音は、明日、弥次郎、千代音と腕試しすることになる。
夕食になると久しぶりにみんな集まる。
菊と千代が速攻で俺に前に陣取ろうと争う。
その隙に清音と日奈がアーンをする。
弥次郎も千代音にアーンをしてもらう。
美代は、行儀が悪いとアーンはしない。
美代は真面目なのである。
達郎は残念そうだ。
宗七は面白いものを見るように笑っている。
影平は首を振り、目頭をもみほぐす。
夕食が終わると菊が俺を風呂に誘う、隣の部屋の清音と日奈もついてくる。
千代がちゃっかり嗅ぎつけて風呂に入って来る。
俺は美少女４人との混浴で癒される。
俺は、入浴後、中庭を見て涼んでいる。
そこに宗七が来る。
彼は俺に言う
「早く帰ってきてくれて助かります。」
「菊姫が急いだので馬で帰ってきたのです。」
「そうですか。私は、軍の強化を考えています。」
「兵を野営させて化け物と戦わせて鍛えるのですね。」
「少し乱暴ですが、村の安全と流通路の安全確保にもなります。」
「中から才のある者を見つけるつもりですね。」
「その通りです。四宮の軍は少数ですが精鋭になるでしょう。」
俺は旅の途中で思いついたことを宗七に話す
「馬を増やしませんか。」
「馬に乗る者は少数ですので需要がありませんが。」
「馬車を使うのです。」
「馬に車を引かせるのですか。」
「そうです。」
「牛のように力がありませんので向かないと思います。」
「それなら２頭にひかせればよいです。」
「そうですね。足が速いので早く荷物が運べますね。」
「兵の移動にも使えます。」
「それは良い考えですね。軍の秘密兵器になりますね。」
宗七は軍の兵員輸送に使うつもりのようだ。
この後、俺は宗七に街の状況を聞かされる。
宗七と影平はうまくやっているようだ。
俺が菊の部屋に戻ると部屋には菊、清音、千代、日奈が待っている。
俺は、初夜のことを思い出す。
千代が言う
「久しぶりなのですから、かわいがってくださいね。」
俺は覚悟する。
４人は、順番を決め始める。
