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7話 殺戮の村

 俺と清音は馬で洞戸村へ駆ける。

 途中、大治の軍を抜いていく。

 軍は洞戸村まで3日ほどかかるので、到着するのは俺たちより2日遅くなる。

 俺たちは、夕方になる前に洞戸村に着く。

 村の中を探すが動くものはない。

 俺たちの前には、血まみれの死体が転がっている。

 人も家畜も皆殺されている。

 しばらくして、俺と清音は馬から降りる。

 嫌な気配がしたのである。

 それは村の一番大きな家から出てくる。

 鬼柳ではないが、同じく禍々しい気配を感じる。

 それは男に見える。

 しかし、俺の勘が人ではないと告げている。

 男は赤い着物を着て、抜身の刀を持っている。

 俺と清音は刀を抜く。

 男は俺たちから20メートルほど離れたところに立ち止まる。

 男は言う

 「つなと清音か」

 「まずは名を名乗れ、名前くらいあるだろう。」

 「俺か残鬼だ。」

清音が聞く

 「姫様はどこ。」

 「村長の家にいる。」

 「会わせて。」

 「安心しろお前たちを殺したら、すぐに殺して会えるようにしてやる。」

俺は残鬼が村人たちを皆殺しにしたことを確信する。

 「鬼柳はどこだ。三下に用はない。」

 「三下だと。鬼柳様はいちいちお前たちの相手はなさらない。俺が相手だ。」

残鬼から殺気が膨れ上がる。

 次の瞬間、残鬼は一瞬で俺の間合いに入り、上段から刀を振り下ろす。

 俺は、かろうじて刀でいなすと斜め後ろに下がる。

 残鬼の斬撃は非常に重いものだった。

 奴は俺たちより明らかに強い。

 清音が後ろから突きを入れるが、残鬼は体を回転させかわすと清音に切りかかる。

 俺が間に入り、残鬼の刀を受け止める。

 残鬼が笑いながら言う

 「ここまでで死ななかったのは、久しぶりだ。楽しましてくれよ。」

清音が再び残鬼に切りかかると、残鬼は後ろに飛ぶ。

 一度に10メートル位下がる。

 俺と清音は走って左右から切りかかる。

 残鬼は俺の斬撃を刀で受け、清音の斬撃を左腕で受ける。

 彼は、つなの斬撃は力を乗せているので切られる恐れがるので刀で受ける。

 しかし、剣士の清音はただの刀なので、自分の固い皮膚を刃物が通らないと考えて、腕で受け止める。

 彼にとって清音は脅威にならないと判断している。

 そのため、彼は、清音の斬撃を躊躇なく左腕で受ける。

 それどころか避ける必要もない。

 残鬼は俺の斬撃を片手で軽々と受ける。

 左腕は、清音の斬撃を受けるはずだった。

 清音の斬撃は、残鬼の左腕を切り飛ばす。

 俺たちの刀は黒鬼の角の刀である。

 残鬼の固い皮膚を切り裂いたのだ。

 残鬼から笑いが消える。

 俺たちは、攻撃を続ける。

 しかし、ことごとくかわされる。

 残鬼は清音に突きを繰り出す。

 清音はぎりぎりでかわして、残鬼の顔面に突きを繰り出す。

 残鬼は顔を傾けて、突きをかわす。

 俺は残鬼が後ろに下がると読んで力の刃を飛ばす。

 残鬼が後ろに飛ぶと力の刃が飛んでくる。

 彼は転がって力の刃をかわす。

 俺と清音は再度左右から切りかかる。

 残鬼は起き上がる分だけ遅れる。

 彼は清音の刀を片手の刀ではじいてから俺の斬撃をかわそうとする。

 しかし俺の刀が残鬼の腹に届く。

 残鬼は腹から出血するが傷口がふさがって行く。

 俺たちは残鬼も異常な再生能力を持つことを知る。


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