9話 牛車の中で・・・
俺たちは、3日間を角倉で過ごして四宮に向けて出発する。
町の人々が見送る。
牛車の中で菊は俺に言う
「5日間は二人きりですね。」
「うん、菊と二人きりで幸せだな。」
「今、清音のこと考えているでしょ。」
「違うよ。」
俺はいつも清音のことを考えているので嘘になる。
「噓でしょ。でも、いいわ。私のこと大事にしてくれるから。」
菊は密着してくる。
菊からはよい香りがしてくる。
俺は菊に口づけをすると押し倒す。
菊の体は柔らくて暖かい。
俺は着物をはだけさせ菊の胸に顔をうずめる。
菊の胸は4人の中で一番大きい。
俺は次第に興奮してくる。
夜、俺は外で寝る。
清音が言う
「今日、姫様としていたでしょ。」
「何のこと。」
「私の牛車まで聞こえていたわよ。」
「それは・・・」
「いいけど、周りのこと考えてね。」
「分かったよ。」
俺と菊とは夫婦なのだからやましいことはないが、これは恥ずかしい。
1日目の夜は化け物は来なかった。
2日目、菊は俺に密着して言う
「今日も愛してくださいね。」
「ダメだよ。声が皆に聞こえているよ。」
「そんなことですか。」
「恥ずかしくないの。」
「大丈夫です。」
「俺は気にします。」
「声を出さないようにしますから。」
菊はそういうと抱き着いてくる。
俺は我慢できずに菊を押し倒す。
菊は声を出さないようにこらえていてが、声を出してしまう。
夜になり、俺は清音と外にいる
清音は俺に言う
「姫様と楽しそうね。」
「すみません。」
「謝ることないわよ。」
「そうだけど。」
「旅の間続きそうね。」
「はい。」
清音はちょっと冷たい。
3日目、4日目も菊は俺に迫る。
当然俺は負けてしまう。
5日目、菊は俺に迫ってくる。
俺は菊に
「ダメだよ、今日は四宮に着くんだから。」
「それは楽しみね。早くしないと町に入ってしまうわよ。」
菊は俺に抱き着くと胸を押し付けてくる。
行列は午前中に四宮に着く。
行列は門を通る。
門番が言う
「変な声がしなかったか。」
「俺は何も聞いてないぞ。」
行列は町を通って行く
「姫様の行列だ。」
「何か聞こえるぞ。」
「何かやっていないか。」
護衛は恥ずかしい思いをする。
菊の館に着く。
みんな牛車から降りるが、菊と俺は降りて来ない。
牛車からは悩まし気な声が聞こえる。
迎えに出た石川影平が大きな咳払いをする。
菊と俺はしばらくしてから牛車から降りる。
影平が菊に言う
「姫様、ご自重ください。」
「気を付けます。」
さらに影平は俺に嫌味を言う
「つな殿は、女性に対しても天下無双ですな。」
「ご迷惑かけました。」
俺はみんなに謝る。




