8話 達郎と美代の関係
俺たちは3日間、扶桑にとどまる。
俺たちはいつも通り訓練をして過ごす。
宗七は、3人の使用人と共に菊姫と話をしている。
訓練後、俺は清音と町に出る。
このところ清音と2人きりになっていないので、千代と日奈の目を盗んでこっそり抜け出したのだ。
俺たちは甘味屋に入る。
清音が俺に言う
「つなとやっと結婚できたね。」
「ああ、約束を守るためさ。」
「初めて会った時、何を言ったか覚えている。」
「一生一緒にいましょう。」
「私は、最初その言葉を信じられなかったの。ごめんなさい。」
「いいよ。ずっと一緒に居てくれたから。」
気がつくと店中の注目を集めている。
俺たちは恥ずかしくなる。
店の中の1人が言う
「つなさん、清音さん、結婚おめでとう。」
拍手が巻き起こる。
俺たちは礼を言う。
達郎は美代と話している
「清音さんの花嫁姿きれいだったね。」
「菊姫様や千代様、日奈様もきれいだったわ。」
「そうだけど、美代も似合うと思うよ。」
「ありがとう。」
「俺も早く結婚したいな。」
「誰かいないの。」
「それはひどいよ。美代に結婚してくださいて言ったろ。」
「なら、信じさせて。」
美代は面を外して目を閉じる。
達郎は口づけをする。
「信じてくれた。」
「もっと信じさてね。」
美代は微笑む。
達郎は夜、美代の部屋に行くしかないと考える。
達郎は美代と混浴をした後、自分の部屋の中をうろうろする。
美代の部屋に何と言って入るか考えているのである。
そこへ弥次郎が部屋に入ってくる
「弥次郎さんどうしたのですか。」
「達郎さん、今夜、夜這いをするんでしょ。」
「何のことです。」
「美代さんと関係を深めるんでしょ。」
「なんでわかったんです。」
「私の弟子ですから見ていれば分かります。」
達郎は分かりすぎだろうと思う
「今、どう言って美代の部屋に入るか考えているんです。」
「夜這いですから気づかれないように布団に入るんですよ。」
「そんなことはしません。」
「それなら堂々と入って、気持ちを伝えればよいでしょ。」
「そうですね。それしかないですね。」
「頑張ってください。」
弥次郎は部屋を出ていく。
達郎は覚悟を決めて、ふすまを開け、隣の部屋である美代の部屋に入る。
部屋には美代の良い香りがする。
美代は達郎に聞く
「どうしたのですか。」
「夕方の話の続きだけど美代のこと好きです。」
「私も達郎様のこと好きですよ。」
達郎は美代を抱きしめる。
その瞬間、美代は達郎を投げて畳にたたきつける。
美代は達郎に謝る
「ごめんなさい。つい癖で投げてしまいました。」
「いいよ、突然でごめん。」
達郎は出直すことにする。
達郎が部屋を出ていこうとすると美代が後ろから抱き着く。
達郎は振り返ると美代と唇を重ねる。
そして、達郎は部屋に戻る。
達郎は、すぐに寝ることにする。
彼は、自分がふがいなく思う。
投げ飛ばされた後では、何を言っても格好がつかない。
しばらくすると美代が部屋に入って来る。
彼女は黙って達郎の布団に入って来る。
達郎はドキドキして思考が回らない。
美代が、達郎の耳元にささやく
「お慕いしています。」
「俺も美代とずっと一緒に居たいよ。」
「起きていたのですか。」
達郎は美代にキスをして答える。
美代は達郎と両手の指をからませる。
2人は飽きるまでキスを続けると体を重ねる。
弥次郎は千代音と寝ながら独り言を言う
「うまくいったようですね。」
千代音が聞く
「おせっかいをしたの。」
「あの2人思いあっているのに関係が進まないから後押しをちょっとね。」
弥次郎が答える。




