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7話 扶桑に着く

 俺たちの行列は、扶桑の門に着く。

 7台の牛車の行列は門番を驚かす。

 護衛が門番に言う

 「菊姫様である。領主の植松様にお目通り願う。」

門番が1人館に走る。

 町に入ると俺たちの行列は、町の人々を驚かす。

 「あれ、菊姫様の行列だよな。」

 「弥次郎さんと千代音さんがいるから間違いないよ。」

人々はうわさする。

 まだ、俺と菊姫の結婚のことは広まっていないらしい。

 俺たちは領主の館に着くと牛車から降りる。

 植松良房が迎えに出ている。

 「皆さんお待ちしていました。中へどうぞ。」

良房は挨拶もそこそこに俺たちを館の中へ案内する。

 俺たちが広間に入ると良房は

 「菊姫様、つな殿、清音殿、千代様、日奈様、結婚おめでとうございます。」

と言うと菊が代表して言う

 「ありがとうございます。さすがに情報が早いですね。」

 「いえ、この前立ち寄られた時から分かっていました。今からささやかな宴席を設けたいと思いますので、お付き合いください。」

良房がそういうと食事が運び込まれてくる。

 彼は、俺たちがいつ到着するのか知っていたのだ。

 彼は、俺に話しかける

 「つな殿、早く官1位になってくださいよ。」

 「官1位になることに何かあるのですか。」

 「帝や菊姫様から聞いていませんか。」

菊から俺を帝位を継がせるつもりであることを聞いているがだまっている。

 「聞いていませんよ。」

 「そうですか、つな殿が官1位になって帝の後継者になるのです。」

 「誰から聞いたのですか。」

 「帝や菊姫様の言動から分かります。」

 「それはまだ先のことです。今は鬼柳を何とかしないといけません。」

 「佐山には、近づかない方が良いですよ。」

 「何かあったのですか。」

 「配下の者を何人か送り込んだのですが、全滅しています。」

 「佐山について何か情報はあったのですか。」

 「何もわかりません。」

 「鬼柳に近づいたわけでもないのに皆消されたようです。」

鬼柳の周りにも何かありそうな気がする。

 宗七が話に入って来る

 「私は、佐山に行こうとしたのですが、奴国の商人が怯えるので行けなかったのです。」

 「行ったら戻ってこれなかったでしょう。」

良房は断言する。

 「宗七さん、危なかったですね。」

俺が言う

 それから俺と宗七、良房は、鬼柳について話す。

 しかし、目新しい話は出てこない。

 宴席が終わって、俺たちは角倉へ行く。

 角倉に着くと番頭が宗七に

 「旦那様、お帰りなさいませ。」

と言い、喜ぶと宗七は

 「苦労を掛けています。話は後でします。」

と言う。

 俺たちは離れに行く。

 宗七は番頭と話す。

 番頭は宗七に言う

 「軍師になるとは本当ですか。」

 「はい、店はこのまま任せることになると思います。」

 「分かりました。」

 「それから、四宮に店を出しますよ。」

 「国府は諦めたのですか。」

 「四宮はこれから栄えます。今のうちに店を出しましょう。」

 「分かりました。人選はどうします。番頭見習いは役人になるのですよね。」

 「人選は任せます。人を見る目はあるでしょう。」

 「はい、お任せください。」

宗七は四宮に角倉の店を出すことにする。

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