5話 初夜
昼になり、俺たちは昼食をとることになる。
宗七と3人の使用人が加わっているが、俺の周りの座る並びはこれまでと一緒である。
違うのは、菊が俺の前に陣取ったことである。
千代は出遅れている。
菊は俺にアーンをする。
清音と日奈は菊の邪魔をせずに見守る。
このアーンは菊が待ち望んでいたものであるのだ。
午後は、菊の部屋に貴族たちが挨拶に来る。
菊と俺は、貴族たちの応対に息つく暇がない。
とはいっても、貴族たちは菊に話しかけるので、俺はほとんど座っているだけで時たま相づちをうつくらいである。
貴族たちは、清音、千代、日奈にも挨拶に行く。
清音は、貴族たちとの話は経験がなく困っているが、同じ部屋の日奈がフォローする。
千代は、慣れているので無難にこなしていく。
俺はこれが明日も続くのかと不安になったが、菊によると今日で主だった貴族たちは終わっており、明日は普通に過ごせるということである。
俺は、夕食が終わり、4人の美少女との混浴で癒されたが疲れたので今夜はゆっくり眠りたいと思う。
しかし菊は、俺の布団に入って来る。
俺は菊に言う
「今日は疲れたから、ゆっくり寝ない。」
「今夜、寝られると思っているの。」
「分かった菊と抱き合って寝ることにするよ。」
「つな、忘れているわよ。」
「何か忘れている。」
俺は聞き返す。
その時、隣の部屋から清音と日奈が入って来る。
俺は2人に懇願する
「どうか寝させてください。」
清音が言う
「みんな平等にしないとだめ。」
日奈が言う
「今夜は寝させませんよ。」
そして千代が入って来る。
千代は言う
「初夜は、みんなで過ごさないとね。」
俺はゆっくり寝るのを諦める。
4人は俺の相手をする順番を決め始める。
決定権は俺にはないようだ。
俺は疲れたまま朝を迎える。
菊、清音、千代、日奈は機嫌がいい。
朝食の時、弥次郎が俺に言う
「つなさん、昨夜は大変でしたね。」
「分かるの。」
「一晩中、にぎやかでしたから。」
菊、清音、千代、日奈が赤くなる。
清音は面を付けているが耳が真っ赤になるので、すぐにわかる。
千代音が、弥次郎を殴る。
宗七が楽しそうに見ている。
菊は姿勢を正すと
「四宮に帰る準備を始めますよ。宗七さんたちも一緒に来てもらいますがよいですか。」
宗七は菊に答える
「仰せのままに。」
俺たちは結婚式を終え四宮に帰ることになる。




