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2話 アーンは食事の作法

 宗七が書簡で催促していた荷物が届く。

 彼は、水を得た魚のように俺たちに売り込みを始める。

 まずは、食事会用の着物を俺たち全員分、見立て勧めてくる。

 菊、千代、日奈は食事会を分かっているようで宗七に注文を付けながら決めていく。

 俺、清音、弥次郎、千代音、達郎、美代は、食事会が判らないため、宗七に任せてしまう。

 清音が勧められた生地を羽織って俺に聞く

 「どお、似合っている。」

 「仮面を外さないとわからないよ。」

俺がいうと清音は狐の面を外す。

 金髪碧眼の美少女には何でもに似合う気がする。

 俺は言う

 「とってもきれいだよ。」

清音は俺の言葉に着物の生地を決める。

 次に宗七は結婚式の着物を決めていく。

 花嫁は、白色を基調とした着物のようである。

 対して花婿の衣装に決まりがないそうで宗七は俺に白を基調とした着物を勧める。

 そして、式に参列する着物を見立てて行く、こちらはシックな柄でまとめている。

 宗七の商売はここで終わらない。

 彼は、帝や帝の正室、側室にも着物を売り込む。

 当然、正虎と勝時も狙われる。

 そして、城に来る貴族たちにも売り込み。

 届いた荷物のほとんどを売りつくす。

 3人の使用人は張り子を手配して、急いで着物を仕立てていく。

 そして、結婚式の準備が整う。

 菊は俺たちに言う

 「食事会でアーンをしてはいけませんよ。」

美代が質問する

 「アーンは食事の作法ではないのですか。」

 「そんないかがわしい作法はありません。」

 「でも、皆さん食事の時していましたよね。」

 「そうですね。あれはいちゃついていたのです。」

 「なら、アーンを禁止しましょう。」

美代の発言に菊は慌てる。

 菊も結婚したら、つなとアーンをしたいのだ。

 「普段の食事はいいのです。」

 「しかし、行儀よく食べたほうが良いと思います。」

 「それでは風通しが悪くなります。」

 「そのようなこはないと思います。禁止しましょう。」

美代の言葉に達郎もがっかりする。

 彼女は根がまじめなのである。

 菊は、追い込まれる。

 「私もしたいんです。」

菊は本心をくちにしてしまう

 「私は、ずーっと我慢していたんですよ。私がアーンをするまで禁止にはしません。」

みんな菊に注目する。

 弥次郎が言う

 「我慢せず、アーンをしたらよかったんじゃないですか。」

 「姫としての威厳があります。」

 「混浴しておいていまさらと思いますが・・・」

弥次郎は、すでに威厳はないと思う。

 俺は菊に言う

 「結婚したらアーンをしよう。」

 「約束ですよ。」

菊は半泣きで言う。


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